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日本代表、関東リーグ戦、関西リーグ、九州リーグ出身選手
7月2日(土)9日(土)と、2023年ワールドカップのホスト国であるフランス代表(世界ランキング2位)との連戦を戦っているラグビー日本代表。現在41名の選手が選ばれているが、その多くは日本の大学ラグビーを経験した選手である。前回の関東対抗戦の出身選手に続き、今回は関東大学リーグ戦、関西リーグ、九州リーグ出身の選手たちを紹介したい。
※茂野海人(大東文化大学出身)が6月27日に追加招集
まずは関東大学リーグ戦。東海大学はリーグ戦4連覇中で、春季大会もAグループで2位だった。出身の日本代表選手は4人。FL(フランカー)リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)を筆頭に、PR(プロップ)三浦昌悟(トヨタヴェルブリッツ)、NO8(ナンバーエイト)テビタ・タタフ(東京サントリーサンゴリアス)、FB(フルバック)野口竜司(埼玉パナソニックワイルドナイツ/6月29日離脱)だ。
FLリーチは大学3年だった2009年度は、惜しくも決勝で帝京大学に敗れて準優勝、4年時の2010年度はベスト4に進出したが優勝することは叶わなかった。2016年度はPR三浦、NO8タタフが大学3年、FB野口が大学2年だったが、やはり帝京大学に決勝で敗れた。リーグ戦では11回の優勝を誇る東海大学だが、大学選手権では準優勝止まり。大学選手権で優勝することがあれば、きっとその時に出場した選手から日本代表が生まれることだろう。
リーグ戦の出身選手では、関東学院大学(春季大会はBグループ5位)出身のPR稲垣啓太(埼玉ワイルドナイツ)がおり、大学3年時の2011年度はベスト4だったが、主将を務めた大学4年時は入替戦に回ってしまい、降格の憂き目を見た。また、当時2部で戦っていた埼玉工業大学(今季から5部)出身のPRヴァル アサエリ愛がいる。また、6月27日に追加招集されたSH(スクラムハーフ)茂野海人は大東文化大学(春季大会Aグループ5位)出身だ。
※海士広大(同志社大学出身)が6月30日に追加招集
続いて関西大学Aリーグを見ていこう。2020年に大学選手権で初優勝した天理大学は、昨季こそ関西リーグ6連覇はならなかったが、今季は関西大学春季トーナメントでもしっかりと決勝に進出した。その天理大学出身者は3名で、PR木津悠輔(トヨタヴェルブリッツ)、NO8ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、WTB(ウィング)シオサイア・フィフィタ(花園近鉄ライナーズ)の3名だ。
2017年度に卒業したPR木津は大学3年時は大学選手権でベスト4だったが、決勝に進出することはできなかった。だが、NO8マキシが4年時の2018年度は準優勝、WTBフィフィタが副将だった4年時の2020年度、天理大学は大学選手権で初優勝を飾った。
昨年度、関西大学Aリーグで23年ぶりに優勝し、今季の関西大学春季トーナメントでも決勝に進出した京都産業大学からは、WTB山下楽平(コベルコ神戸スティーラーズ)が選出されている。
また、立命館大学(春季トーナメントベスト4)からはFL(フランカー)古川聖人(トヨタヴェルブリッツ)、摂南大学(春季トーナメント6位)からはWTBジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京)が、それぞれ今夏の日本代表に入っている。また、6月30日には同志社大学(春季トーナメント5位)出身のPR海士広大(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)が追加招集された。
最後に「地方の公立」出身ながら、日本代表まで登り詰めたのが鹿児島大学出身のSO(スタンドオフ)中尾隼太(東芝ブレイブルーパス東京)だ。鹿児島大学は九州リーグに参戦しているが、大学選手権に出場したことはなく、3年時に全国地区対抗大学大会で準優勝、4年時は主将として再び準優勝を飾った。九州代表やセブンズ日本代表の実績を買われて、東芝ブレイブルーパスに入ってから力をつけた選手だ。
関東大学春季大会で2位となった東海大学は、関東リーグ戦だけでなく、その先の大学選手権初優勝に向けて力をつけていくことができるか。木村季由監督の下、しっかり鍛え上げられている選手が多いだけに、今後も日本代表選手が輩出されていくはずだ。他のリーグ戦の大学としては、まずは打倒・東海大学ということになるだろう。
高校までは「西高東低」が強い傾向にあるラグビー界だが、大学は「東高西低」という時代が続いている。ただ、2020年度に天理大学が大学選手権で優勝するなど、関西の大学が復調の兆しを見せており、関西の大学が常に大学選手権で上位に入るようになれば、おのずと関西大学Aリーグ出身の日本代表選手は増えていくに違いない。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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