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FW戦を制した明治大学
日本一を目指し各大学がしのぎを削るラグビー全国大学選手権。明治大学は関東大学対抗戦を5勝2敗の3位で終え、4回戦からのスタートとなった。優勝へのいばらの道に最初に立ちはだかったのは天理大学。
「貪欲にプレーをする」(SH/スクラムハーフ飯沼蓮主将・営4=日川)。昨年度の大学選手権準決勝ではダブルスコア以上で敗北した相手に、チームテーマ『ハングリー』を掲げ挑み、見事勝利をつかんだ。
天理大にPG(ペナルティーゴール)を決められ、先制点を挙げられた明大は前半12分、同様にPGを狙う。惜しくもその軌道はゴールを外れたものの、試合再開の相手のドロップアウトが22mラインを超えず、再びボールは明大へ。
「スクラムで優位に立てばチームにいい流れを持ってくることができる」(NO8/ナンバーエイト大石康太・営4=国学院久我山)。敵陣22mラインからのマイボールスクラムで相手を圧倒し、生まれたスキを飯沼が突き、そのままグラウンディングを決めた。
続く24分、敵陣22mラインでのマイボールラインアウトを成功させると、ゴールライン前で丁寧にフェーズを重ねてゆく。最後は左CTB(センター)廣瀬雄也(商2=東福岡)のサイドへのキックパスに反応した、左WTB(ウイング)松本純弥(政経4=佐賀工)が勢いそのままにトライ。「準備はしていなかったが、アドバンテージが出ていたので思い切りやった」(廣瀬)。
前半終了間際の38分、敵陣5mラインの明大ボールでのラインアウトからモールでゴールラインの前へ。5フェーズ目に差し掛かったところで、SO(スタンドオフ)伊藤耕太郎(商2=国学院栃木)からテンポ良くパスを受けた右CTB(センター)江藤良(文4=報徳学園)がトライを決めた。相手をノートライに抑え、17-3で前半は折り返す。
後半の序盤は両者主導権を握れない状態が続く。それでも16分、『重戦車』の強さが光る。相手のオフサイドのため、明大はゴールポスト付近でのスクラムを選択する。「相手に付き合わず自分たちのスクラムを組めた」(右PR /プロップ大賀宗志・営3=報徳学園)。前半から負けなしのスクラムで、相手を圧倒し、認定トライを獲得する。
ラグビー 全国大学選手権 4回戦
【ハイライト】明治大学 vs. 天理大学
このまま明大が圧倒するかと思われたが、直後に2連続トライを奪われ、1トライ差まで得点を詰められる。油断を許さない状況になったものの、27分に明大に有利な追い風が吹く。天理大がスクラムの際に反則を繰り返したためシンビンが下され、相手FWが1人欠ける状態になる。
攻守に渡って活躍した飯沼
そのまま迎えた31分、相手ボールスクラムを勢いよく崩すと、明大がターンオーバー。ペナルティを獲得し、選択したショットをリザーブで入ったCTB齊藤誉哉(文3=桐生一)が決める。その後、35分には天理大にゴールライン間近まで追い込まれるも、飯沼のジャッカルが決まり、チームの危機を救う。終始『強いFW』が天理大を圧倒し、最終スコア27-17で昨年度の借りを返した。
今試合の勝利のカギはセットプレーだった。昨年度の大学選手権では自慢の『重戦車』も歯が立たず、雪辱に燃えていたFW陣。「天理に対してどう当たるかというのも明確にした2週間だった」(田森)。徹底した準備とともに、試合中は声掛けも意識したそう。
「フロントローが自信持ってスクラムを組みたいと試合中に言ってきた」(大石)。声を出しチームを鼓舞することでいい流れをつかんでいく印象がある天理大。「そこで負けたくないと思い、自分も声を出した」(大賀)。ささいなことかもしれないが、このようなところからチームの士気を上げていた。
次戦の相手は永遠のライバル・早稲田大学。12月5日に行われた明早戦では、何度も敵陣に攻め込みボール保持率は高かったものの、早大のダブルタックルや整ったディフェンスラインに屈した。
また、準備期間が3週間ある早大に対し、次戦までの時間が1週間しかない明大。この短い期間でどれだけ対早大の対策を練れるか、また準備を行えるか。「自分たちは負けているのでチャレンジャーの気持ちで必ずリベンジして勝つ」(飯沼)。3年ぶりの全国王者へ、いばらの道はまだ続く。
文:堀之内萌乃/写真:田中佑太(明大スポーツ新聞部)
明大スポーツ新聞部
1953年(昭和28年)創部。現在明治大学において唯一の学生新聞部。明治大学体育会43部の競技成績や、学内外の話題を幅広く紙面・WEBサイト上にて掲載、発信。 現在の部員数は56名。
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