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ラグビー コラム 2021年9月24日

トップ4崩しなるか!昨季5位の筑波大が慶大にチャレンジ。対抗戦グループ序盤戦の最注目試合

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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山本凱(慶應義塾大学)

強豪チームがひしめく関東大学対抗戦Aは、9月25日(土)、26日(日)、早大日体大など3試合が行われる。なかでも注目されるのが、昨季3位の慶大と5位の筑波大の一戦だ。昨季の対戦(10月4日)では、慶大が先制したものの筑波大が逆転し、30-19で勝利した。しかし、その後の慶大は調子を上げて明大帝京大に勝ち、対抗戦3位で全国大学選手権に出場。筑波は他の上位陣には敗れて5位となった。果たして、現時点での力関係はどうか。興味深い対戦だ。

挑戦者の立場である筑波大は、今季「Link」というスローガンを掲げる。全部員が日本一という目標にベクトルを向け最後まで繋がり続け、大学日本一をつかみとるという思いが込められいる。ディフェンスにはこだわりを持って取り組み、今季の開幕戦でも、帝京大と7-17という接戦を繰り広げた。慶大に対しても、前に出るディフェンスでプレッシャーをかけたい。攻撃面でも防御背後へのキックも織り交ぜながら帝京大のディフェンスを崩しており、トライこそ取り切れなかったが、勝つ可能性のある試合はできていた。

FB松永寛汰

今季は対抗戦の経験者が少ないが、才能ある選手は揃っている。1年生から活躍するキャプテンのFB松永寛汰(4年)はライン参加、カウンターアタックから独特のステップワークでタックラーをかわして大きく前進する力がある。FWの中心はスクラムの要でもあり、力強いボールキャリーが魅力のPR木原優作(3年)。東福岡高校出身で高校日本代表、ジュニアジャパンにも選出された逸材だ。将来有望な新加入選手も多い。帝京大戦ではFL倉井瑛志、SO浅見亮太郎、WTB大畑亮太の1年生トリオが先発し、浅見は冷静にゲームをコントロールし、大畑は持ち前のスピードで好ディフェンスを見せるなど思い切りのいい動きが光った。

対する慶大は、初戦(9月18日)で日体大に43-5と勝利した。今季は昨年までWTB、FBだった山田響(2年)のSH転向が注目されているが、この試合では、イサコ・エノサ(3年)、アイザイア・マプスア(3年)のCTBコンビの強さ、スキルの高さが目立っていた。前半36分のマプスアのトライは、タックルされる直前に体をスピンさせてインゴールまで走り切ったもので、後半3分のエノサのトライは、1人、2人とステップでかわし、最後はタックルを引きずりながらボールを押さえた。マプスアはFWからのポジションチェンジで存在感を示し、今後もBKラインのアタックの起点になるだろう。

慶大の攻撃はラインアウトからのモールでの前進、素早いパスワークに個人技も絡め多彩だった。トライの無かったSH山田響も、スピードあるランでチャンスは作っており、ディフェンス側にとって脅威になる選手であることは間違いない。慶大は春に新型コロナウイルス感染症のクラスターがあり、本格的な練習を再開して2カ月ほど。調子を上げていくのはこれからだ。

筑波大もが、コロナ禍の行動制限で満足なプレシーズンを送ったわけではない。一戦一戦自信をつけていくためにも、両チームにとって負けられない戦いだ。互いにディフェンスからチャンスを作りたい。攻守の切り替えが勝負を分ける。目の離せない戦いになる。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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