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ラグビー コラム 2018年11月20日

トライを奪う決定力では劣ったが十二分に手ごたえを感じた イングランド vs. 日本 レビュー

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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ラグビー日本代表

ラグビー日本代表

この11月は主にヨーロッパでテストマッチ(国代表同士の試合)が行われ、僅差の好勝負が相次いでいる。ラグビーワールドカップ(RWC)2019日本大会に向かって、強豪国の実力差がこれまで以上に接近していることを感じさせる戦いばかりだ。世界ランキング2位のアイルランドが16-9で世界王者のオールブラックス(ニュージーランド代表)を破り、スコットランドが南アフリカに、20-26という惜敗を喫したのと同日、日本代表はRWCの優勝候補の一角であるイングランドと戦った。

イングランドのホームスタジアム、トゥイッケナムには、81,151人が集った。日本代表史上最多の観客数である。日本代表は改築前のトゥイッケナムで1986年にプレーしているが、当時はイングランド側が正式なテストマッチとは認めておらず、イングランドの選手にはキャップは与えられなかった。今回は正真正銘のテストマッチとしての対戦である。日本が世界に認められるために歩んできた足跡を思い起こすと感慨深かった。

イングランドは11月11日のオールブラックス表戦(15-16の惜敗)から先発で11名の変更をしたが、リザーブ(控え)も含めれば23名中18名が同じメンバーだった。筆者は日本からツアーを組んで応援にやって来た日本代表サポーターの皆さんと一緒に観客席で観戦した。君が代に続いてのイギリス国歌「ゴッド・セーブ・ザ・クイーン」の大合唱は腹の底まで響き渡った。

この雰囲気の中で日本代表が力を発揮できるのか。そんな不安はキックオフ直後からのアグレッシブなプレーで打ち消された。体格の大きな選手を揃えたイングランドを低いタックルで止め、素早いパスワークでボールを動かしていく。開始3分、激しい攻防の中でボールを奪い、自陣から攻めた日本代表だが、SO田村優が防御背後に蹴ったボールは地域獲得でもなく、チェイスする(追いかける)選手が競り合えない位置に落ちた。あっというまにイングランドのカウンターアタックからSHダニー・ケアにトライを奪われる。チェイスする選手の少ないときのキックの怖さを思い知らされるシーンだった。

リーチ マイケル

リーチ マイケル

しかし、この後は日本代表が圧倒的なボール支配率で攻める。16分、田村が40m以上のPGを決め、22分にはイングランドのゴール前5mの右中間スクラムからSH田中史朗のフラットなパスに走り込んだ中村亮土がトライをあげ、7-10と逆転に成功した。PGを一本返されたが、その後もボールをキープしながら攻撃し、31分、相手陣深く入ったところで左右にボールを動かし、最後は右タッチラインでパスを受けたFLリーチ マイケルが4人のタックルを振り切ってトライ。10-15とリードする。日本代表サポーターがもっとも盛り上がったシーンだ。

前半の日本代表は無駄な反則やミスもなく、課題だったスクラム、ラインアウトも安定し、互角以上の戦いを披露する。中村亮土が何度も縦に切れ込み、CTBラファエレ ティモシー、FBウィリアム・トゥポウを軸にしたパスワークでWTB福岡堅樹を走らせる。指で弾くようなスピーディーなパス回しには、たびたび観客席から感嘆のため息がもれた。気が付けば、イングランドの応援歌である「スイング・ロー、スウィート・チャリオット」の合唱も聞こえてこない。「それどころではない」というのが多くのサポーターの気持ちだっただろう。

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