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関東大学対抗戦5戦目は全勝対決となった早稲田大学との一戦。会場の秩父宮ラグビー場には不安定な天気にも関わらず、多くのラグビーファンが訪れた。注目の一戦は帝京大学が45-28で制し、開幕から5連勝を飾った。
夏の菅平合宿で早稲田大に14-28と負けているだけに、「リベンジ」の意識もあったこの試合。「深紅の王者」はこれまで以上の気迫を試合開始時から見せていた。
早稲田大のキックオフで開始されたこの試合。開始直後に、相手の粘り強い攻撃でフェイズを重ねられるも、低く突き刺さるタックルを連発。
一時は自陣5m前まで侵入されたが、最後は主将でLO(ロック)秋山大地(4年=つるぎ)のディフェンスで相手のミスを誘い、ピンチを脱した。
その後の前半6分、相手の反則などで敵陣に進むと、SO(スタンドオフ)北村将大(まさひろ)(2年=御所実)が素早く左へ展開。
CTB(センター)尾崎泰雅(2年=伏見工)にボールを回すと、相手に掴まれながらもオフロードでWTB(ウィング)の宮上廉(3年=佐賀工)へパスがつながり、そのままトライ。キッカーの竹山晃輝(4年=御所実)のゴールも決まり、重要な先取点を獲得した。
この先取点で流れをものにした帝京大は、13分にも敵陣ゴール前で粘る相手ディフェンスに対し攻め続け、最後はPR(プロップ)淺岡俊亮(4年=京都成章)がトライ。ゴールも決まり、14-0とした。
さらに19分、今度はFW陣が相手を圧倒する。敵陣ゴール前5mのスクラムでは、猛プッシュで前進すると最後はNO8(ナンバーエイト)のブロディ・マクカランがトライ。そして、31分にも同様のスクラムトライを奪ってみせた。
圧倒的な強さをみせた帝京大のスクラムに対し、試合後、早稲田大の佐藤真吾主将(4年=本郷)が「想定外だった」と語ったように夏合宿では見れなかった力を思う存分に出し切った。
28-0と大きくリードして前半を折り返した帝京大。後半は相手の猛攻もあり、先にトライを許したが、SH(スクラムハーフ)小畑健太郎(4年=伏見工業)の素早い展開から北村、尾崎と繋ぎ、最後はフリーだったWTB木村朋也(2年=伏見工業)がトライ。
前半奮起したFW(フォワード)陣に負けじと今度はBK(バックス)陣の素早い展開のラグビーが光った。
相手に連続トライを許す場面もあったが最後は逃げ切り、試合は45-28でノーサイド。明治大学が慶應義塾大学に負けたことで、対抗戦唯一の全勝チームとなり、頭がひとつ出た形となった。
試合を終えて、主将の秋山は「自分たちが強みにしていこうとしたスクラムをやっているので、成果を上げようとFWはみんな思っていた。意図してとれたトライ」と前半2度奪ったスクラムトライを評価した。
夏に14-28で負けた相手から3倍以上の得点を奪い、勝利したことに関しては、「選手全員がトライだけを狙ったプレーではなく、1つ1つ、目の前のプレーを丁寧に重ね続けた結果がこのスコアに繋がった」話した。
次戦は今季、2戦2敗の明治大学との一戦。岩出雅之監督は「挑戦者の気持ちで戦う」と強く意気込む。「深紅の王者」のプライドを再び取り戻すことができるか。紫紺のジャージに胸を借りる思いで次戦も勝利だけを目指す。
文:久保沼達/写真:太田和樹(帝京スポーツ新聞部)
帝京スポーツ新聞部
1996年創刊。帝京大学体育局所属の公認クラブにして唯一の学生新聞。ラグビー部をはじめ、柔道部、空手部、野球部など帝京大体育局の情報を年4回の発行で熱く伝える。現在部員13名で活動。 Twitter @teikyo_sports
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