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モータースポーツ コラム 2026年9月10日

WEC 最大スティント・エネルギー値の削減について

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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50号車フェラーリ499Pが勝利

FIA 世界耐久選手権 2026第5戦、ローン・スター・ル・マン6時間レースをご覧いただきありがとうございました。僕は、後半部分、ゴールまでの解説を担当させていただきました。
アメリカ、テキサス州のオースティンにあるサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開催された今大会は、ブラジル・サンパウロのインテルラゴス戦から7週間のインターバルを経て行われ、いよいよシーズン後半戦に突入しました。
レース終盤には7号車トヨタTR010 ハイブリッドの素晴らしいオーバーテイクショーで盛り上がりました。しかし残り12分で起きたハイドロ・プレッシャーが落ちてパワーステアリングとシフトチェンジが機能不全になってリタイア。これにより50号車フェラーリ499Pが昨年の開幕戦以来の勝利を挙げた。

開催数日前には、再びバランス・オブ・パフォーマンス(BoP)の変更が行われたとの情報が報じられました。しかし今シーズンから各レースにおける各チームのBoPは非公開となっているので、メディアに対しての発表は当然ながら無し。情報によれば、ハイパーカークラスの最大スティント・エネルギー値が10%~15%削減されたとのこと。
BoPは参加車両のパフォーマンスを均一化し、毎戦拮抗したレース内容を作り出し、モータースポーツファンに楽しんでいただこうということが目的。しかし、第5戦における変更については、ハイパーカークラスのスティント周回数を少なくすることでLMGT3カークラスとのラップ差を生じさせ、ピットの混雑を緩和することを目的としたようだった。

この変更によって、これまで6時間レースで成立していた6スティント戦略では対応が難しくなり、7スティントが必要となる。

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しかし、スタート前にスコールがあってコースの一部がウエットコンディションとなったため、レースはセーフティカー(SC)先導によってスタート。ダンプコンディションでラップタイムが遅くなったり、アクシデントでフルコースイエロー(FCY)となったりしてレースの前半は、各チームは、ペースの組み立てなど戦略面でカオス状態だったと思う。
そして、レースが半分終わったところでFCYからSCがコースインし、完全に仕切り直し。このSCは、アメリカ的なレースの全体調整を意図して演出しているように感じられ、再度FCYからSCが投入される場面もあった。
さらに最終盤はスプラッシュのためのピットインが必要になって、エナジーを気にしない全開走行に。その中でトヨタのニック・デ・フリース選手は卓越した技術ででトップに立つも、トラブルの発生により勝利の栄冠を逃す形となってしまった。

前半から中盤の解説を担当した土屋武士氏によれば、今回の最大スティント・エネルギー値の削減によって、COTAでは1スティントあたりの周回数が約3周少なくなっていたとのこと。
次戦の富士6時間レース【決勝:9月27日(日)】でもこの削減が行われるかどうかは不確か。どうなることやら。

文:高橋 二朗

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会会長。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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