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モータースポーツ コラム 2026年9月25日

【プレビュー】MotoGP転向を決定したブレガが地元イタリアで王座を決めるか?|FIM スーパーバイク世界選手権 2026 第10戦 クレモナ

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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FIM スーパーバイク世界選手権 2026 第10戦 クレモナ

市販車ベースマシンの最高峰レース「FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)」の2026年シーズンも残すところ、あと3ラウンド。第10戦は今シーズン快進撃を続けてきたニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)の母国イタリアにあるクレモナサーキットでの開催です。今シーズンも「J SPORTS」ではWSBKを全戦放送。今回は9月25日(金)〜27日(日)に開催される第10戦・クレモナのレースプレビューをお届けしましょう。

今季はニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)が27レースで26回の優勝。さらにドゥカティ・パニガーレV4Rが全戦全勝しています。第8戦ドニントンパークではイケル・レクオーナ(ドゥカティ)がレース1で初優勝を飾りましたが、ほぼブレガが独占しているシーズン。これだけ多くの勝利を一人のライダーが独占するのは世界選手権レースでは異例であり、これが評価されない理由はありません。

ニッコロ・ブレガは「ドゥカティ」から高い評価を受け、来季からMotoGPへの転向が決定。バレンティーノ・ロッシがチームオーナーを務めるVR46レーシングチームから、ついにMotoGPにデビューすることになりました。ブレガはスーパースポーツ世界選手権、スーパーバイク世界選手権に来る前は3年間、Moto2に参戦。一度は失ったMotoGPへのチャンスを自らの結果で掴んだブレガ。今彼が達成すべきミッションは怪我をすることなく、ドゥカティ100周年の記念すべきアニバーサリーイヤーに決めることです。

553点を獲得してランキング首位につけるブレガに対して、ランキング2位でチャンピオンを争うライバルはチームメイトのイケル・レクオーナ(ドゥカティ)です。現時点でポイント差は146点も開いており、残り2戦を残してポイント差が124点以上開いたままだと第10戦・クレモナでチャンピオンが決まります。この週末のレース2までにはタイトルが決定する可能性が高いでしょう。

ブレガが離脱することになったドゥカティワークスチーム「Aruba.it Racing - Ducati」にはMotoGPでシートを失ったライダーが乗ることになるのでしょうか。それとも既存のWSBKライダーがシートを掴むことになるのか。ワークスチームのシートや待遇は誰もが望むものですが、今年はブレガが金字塔を作っただけに相当高い実績を求められることになるでしょう。既存のライダーは残り3ラウンドで誰よりも目立つ走りを見せなくてはいけません。

今後はまたMotoGPからの転向も多くなりそうです。ヤマハは「Pata Maxus Yamaha」にジャック・ミラーの加入が決定。MotoGPで4勝を飾ったオーストラリア人ライダーは鈴鹿8耐でプロダクションバイクのレースを経験済み。今季苦戦していたヤマハYZF-R1のポテンシャルをミラーがどこまで引き上げられるか楽しみです。

今季ライダーの怪我もあり大苦戦しているBMWはダニロ・ペトルッチの離脱が決定し、こちらもMotoGPウイナーのブラッド・ビンダーの加入を発表。近年は表彰台から遠ざかっていたものの、安定した成績を残し続けてきたビンダーの加入はBMWを再び勢力図の中心へと導けるか注目です。

MotoGP経験者だけでなく、MotoGPのウイナーや優勝争いの実績を持つライダーが増え、WSBKの選手層はますますハイレベルになっていく傾向です。そんな中、今季は26歳のイタリア人ライダー、ヤリ・モンテラが12回の表彰台を獲得し、最も目立った存在となっています。モンテラはMoto2、Moto3ともに世界選手権にはスポット参戦しか経験がなく、2022年からプロダクションバイクのスーパースポーツ世界選手権に参戦。2024年はランキング3位を獲得し、昨年からWSBKにステップアップしてきました。ドゥカティが好調のシーズンとはいえ、今季最も伸び代のあるライダーといえるでしょう。

サム・ロウズ(ドゥカティ)も今季表彰台獲得が一気に増加したライダーです。WSBKに転向して3年目の今年は8回の表彰台を獲得。トップ5でのフィニッシュ回数も多く、今季を盛り上げる存在です。2027年もチームとの契約があり、さらにWSBKでのキャリアを伸ばしていくことができるか注目です。

また、今回のクレモナは増加するイタリア人ライダーたちにとって、大事なホームレースでもあります。ニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)、ヤリ・モンテラ(ドゥカティ)、ロレンツォ・バルダッサーリ(ドゥカティ)、アクセル・バサーニ(ビモータ)、アルベルト・スーラ(ドゥカティ)、アンドレア・ロカテッリ(ヤマハ)、ダニロ・ペトルッチ(BMW)、ステファノ・マンジー(ヤマハ)、マッティア・ラト(ヤマハ)ら今季は本当に多くのイタリア人ライダーがスターティンググリッドに並んでいます。今年はミサノに次ぐ2度目のイタリア開催で、イタリアンパワーが炸裂するウィークエンドになるでしょう。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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