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決勝レーススタートまであと1日
100年以上の歴史を誇る「ル・マン24時間レース」。いよいよ2025年6月14日(土)〜15日(日)に開催される「第93回ル・マン24時間レース」は「J SPORTS」で生中継。FIA WEC(世界耐久選手権)の中で最も重要なこのレースを今年も24時間完全生中継でお届けします。このレースをより楽しんでいただくために、決勝レースがスタートするまでの間に24個のトピックスを取り上げ、今年のル・マンの見どころをご紹介。最終回となる第24弾は「ル・マンの記録」についてです。
■総合優勝回数:19回
過去92回開催されたル・マンで最も総合優勝回数が多いのが「ポルシェ」です。「耐久王」と呼ばれる由縁にもなっているのは多くの方がご存知かと思います。優勝回数2位がアウディの13回ですから、今年この記録を超えられるのは「ポルシェ」しかありません。「ポルシェ」は20回目の優勝という大台を狙います。
一方で歴代3位はフェラーリの11回、4位はジャガーの7回、5位はベントレーの6回です。日本のトヨタは歴代6位の5回ですから、今年トヨタが勝てば優勝回数でベントレーに並び歴代5位の座に上昇します。ついに世界のトップブランド5位に入るトヨタをぜひ見たいですね。
■最多優勝ドライバー:9回
ル・マンで最も総合優勝回数が多いドライバーといえばアウディで数多くの勝利を重ねたデンマーク人のトム・クリステンセンの9回です。初優勝は1997年のヨースト・TWRポルシェ。その後はアウディでの勝利がほとんどですが、2003年にはアウディの兄弟車として登場したベントレーで優勝を飾っています。LMP1がハイブリッド化した2013年にも優勝を飾っており、様々な時代を超えて重ねられた偉大な記録です。
これを超えられる現役ドライバーはいませんが、歴代3位の座に上がれそうなのは「Toyota Gazoo Racing」8号車を駆るセバスチャン・ブエミ。過去4回、トヨタでル・マンウイナーとなっている彼が優勝すれば、デレック・ベル、フランク・ビエラ、エマニュエル・ピロと並んで優勝5回の歴代3位のドライバーとなります。
また、日本人ドライバーでル・マンの複数回優勝があるのは中嶋一貴(3回)です。
■最年少優勝:22歳と91日
ル・マン24時間レースの最年少優勝記録を持つドライバーは元F1ドライバーでFIA WECではトヨタでも活躍したアレクサンダー・ブルツの1996年に達成した22歳と91日です。F1デビュー前の時代にTWRポルシェでル・マンに参戦し、見事総合優勝を飾りました。
これを超えられるのは「HYPERCAR」クラスのドライバーが現実的ですが、メーカーのワークスチームでは経験値も重要視されるため極端に若いドライバーはいません。しかし、ポルシェ963を走らせるプライベーター「Proton Competition」から出場するチリ出身のニコ・ピノは若干20歳のドライバー。昨年はLMP2クラスで初出場してクラス3位表彰台を獲得しているポテンシャルを持っています。ワークスチームひしめき合う中でプライベーターの優勝となるのは現実的には難しいですが、更新の可能性はあるということだけはお伝えしておきましょう。
■コースレコード:3分14秒791
この記事が出る頃にはすでに予選が終了していますが、ル・マンのサルトサーキットのコースレコードについても触れておきましょう。現在のコースで最も早いタイムを記録したのは2017年、トヨタTS050ハイブリッドに乗る小林可夢偉が予選で記録した3分14秒791です。この年はLMP1規定でトヨタとポルシェが一騎打ちとなった年で、トヨタは初の総合優勝を狙い3台体制で挑みました。純粋にメーカーが威信をかけてスピードを争っていた時代の賜物と言える驚異的なタイムです。
現在は「HYPERCAR」クラスが想定ラップタイムに合わせて性能調整されるレギュレーションになっているため、昨年のポールタイムは3分24秒634。小林可夢偉のレコードタイムは今よりも10秒も速いタイムなのです。安全性の確保と過当競争を防ぐ目的で性能調整される現在では超えようがありません。ただ、それでも現在のHYPERCARクラスは1999年にトヨタGT-One(TS020)が出したタイムよりも5秒速いタイム。かつて多数のワークスチームがガチで争っていた時代よりも速いラップタイムで性能調整され、決勝ではトヨタGT-Oneが全力で出した予選タイム並みのペースで走っています。それが接戦になるわけですからいかに今のル・マンが厳しい戦いになっているのかが分かります。
百花繚乱、群雄割拠。いろんな言葉が当てはまる超絶な24時間耐久レース。さぁいよいよスタートです!
文:辻野ヒロシ
辻野 ヒロシ
1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。
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