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「自分は“世界に行きたい”という思いでレースを始めたので、それが原動力として結果にもつながったと思います。最終的にこうやってチャンピオンを獲れたことは嬉しいですし、ホッとしています。チャンピオンを獲れたことに対し、TGRをはじめTEAM TOM’S、そしてスポンサーのみなさん、応援してくださるファンのみなさんに本当に感謝しています」(宮田)
【勝つと負けるは紙一重】
レース後互いに称えあう宮田とローソン。
レース後、パルクフェルメで何度もガッツポーズし、雄叫びを上げて喜びを表現した宮田。その一方で、マシンを降りて呆然と立ち尽くすローソン、新チャンピオンを称えに行きながらも、3連覇を逃した悔しさを堪えきれない野尻。激闘の2023シーズン終了の瞬間、3人の表情はあまりにも違いすぎた。
“勝つ”と“負ける”は紙一重。
こうして言葉にするのは簡単だが、当人たちにとっては、その一言で到底片付けることのできない嬉しさや悔しさがある。それが、今回の鈴鹿決戦でも垣間見えた結末となった。
悲喜交々の2023シーズンはこれで幕を閉じたのだが、今この瞬間から2024年シーズンへの準備が、それぞれの間で始まっている。
新王者の宮田は目標と語っていた世界の舞台への挑戦が待っており、ローソンはF1レギュラーシートをかけた動きが本格化していく。野尻も2024年の王座奪還を狙って次なる一歩を歩み出しているはずだ。
進む方向はそれぞれ異なるが、2023シーズンのスーパーフォーミュラ王座をかけて激戦を繰り広げた3人が、今後どのような活躍を“それぞれの舞台で”披露してくれるのか、今から楽しみで仕方がない。
そして、彼らの活躍とともに、国内トップフォーミュラ50周年の節目にふさわしい“激闘のシーズン”もセットになって…きっと、多くのファンや関係者に語り継がれていくことだろう。
文:吉田 知弘
吉田 知弘
幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ
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