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2023“SF鈴鹿決戦”チャンピオン候補2|野尻智紀 ~3連覇という大偉業への挑戦「僕も“日本一速い男”と呼ばれたい」~
モータースポーツコラム by 吉田 知弘迎えた2023年、野尻は次なる偉業達成への挑戦が始まっている。スーパーフォーミュラでは初、国内トップフォーミュラ史では中嶋悟(1984年、1985年、1986年)以来2人目となる“3年連続シリーズチャンピオン”だ。
車両が『SF2』3に変わったこともあり、開幕前のテストから苦戦気味で、第3戦鈴鹿では大湯都史樹と接触しリタイア(ちなみに、野尻がアクシデントで決勝リタイアをしたのは先述の2019年SUGO以来)。第4戦オートポリスでは大会前日に肺気胸の診断を受け、欠場を余儀なくされた。
後半戦に入ると、雰囲気は「宮田莉朋vsリアム・ローソン」という雰囲気になっていたが、この状況を見て一番奮起していたのが野尻。第7戦もてぎでポール・トゥ・ウィンを飾り、10ポイント差のランキング3番手につけた。今までの2年は序盤からランキングをリードしてチャンピオンを獲得したが、今年はライバルを追いかける立場で最終戦を迎える。
第7戦もてぎでPP WINを飾った。
話が少し変わるが……今年3月に、野尻は日本プロスポーツ大賞の敢闘賞を受賞。各スポーツ競技で活躍した選手らと同じステージに立った。
表彰式終了後、ロビーで談笑していた時に「僕も“日本一速い男”と呼ばれたいなぁ……」と呟いた野尻。その時の表情と言葉が、今でも筆者の記憶には鮮明に残っている。
絶対王者という印象が定着しているが、そのさらに上を目指し日々努力している野尻。3連覇という偉業をかけた大一番……いよいよ今週末、その幕が上がる。
文:吉田 知弘
吉田 知弘
幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ
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