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2023“SF鈴鹿決戦”チャンピオン候補2|野尻智紀 ~3連覇という大偉業への挑戦「僕も“日本一速い男”と呼ばれたい」~
モータースポーツコラム by 吉田 知弘その中で、陣営全体で改善に取り組み、ライバルとの差を縮めていったホンダ。第6戦SUGOでは山本尚貴がポールポジションを奪い、野尻が2番手に入り、このシーズンでは初めてホンダ勢がフロントロー(予選最前列グリッド)を独占した。
決勝では、スタートで出遅れた山本を抜き去ってトップに浮上した野尻。ピットストップの関係で途中ライバルにその座を明け渡したが、残り4周で再び首位に返り咲き、ルーキーイヤーで初優勝を飾った。(ちなみに、このシーズンでホンダ勢がスーパーフォーミュラで獲得した表彰台は、この野尻の1回のみだった)
ウイニングランの間は、コックピットのなかで涙が止まらなかったという野尻。気持ちを落ち着かせて、パルクフェルメでは満面の笑みでガッツポーズをみせた。
この勢いで、野尻は2014年のルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。当時のスーパーフォーミュラ界は「期待の若手が、また1人出てきた!」と話題になり、注目度も一気に上がっていく。
その後は2015年、2016年、2017年と、キャリアを積み重ねていくなかでポールポジションをはじめ上位グリッドに顔を出す機会も増え、表彰台に乗る回数も増えていくのだが……周囲が期待する“2勝目”をなかなか手にできない。そうこうしている間に、ホンダエンジンを搭載して戦うドライバーが次々と活躍していった。
2016年には、ダンディライアンにストフェル・バンドーンが加入。開幕戦でいきなり表彰台を獲得したほか、初走行となった富士スピードウェイではウエットコンディションでポールポジションを獲得したのをはじめ、シーズン2勝を記録する活躍をみせた。
一方の野尻は、第6戦SUGOでの3位表彰台が最上位。やはり同じチームということで、どうしても比較対象となり、苦しい思いをするシーズンだった。このシーズンを経て、バンドーンは翌年F1へステップアップを果たした。
さらに2017年には、現在もF1で活躍中のピエール・ガスリーが来日。初参戦ながら2勝を記録し、ランキング2位&ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。2018年は、山本が3勝をマークしてシリーズチャンピオンに輝いた。SF14が導入されてからトヨタ陣営に獲られ続けてきたドライバーズチャンピオンの座を、ホンダ勢に初めてもたらした。
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