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モーター スポーツ コラム 2023年9月19日

スピードを下げましょう…SUPER GT第6戦

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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スポーツランドSUGOで開催されたSUPER GT第6戦。

SUPER GT第6戦300Km レースでまたしても・・・。
ひとつは、車両接触から大クラッシュが発生してしまったこと。
もうひとつは、レース後の再車検で両クラスの優勝車両に車両規定違反の判定が下って両車共に失格となったこと。GT500、GT300クラスの優勝車が失格となるのは前代未聞の出来事だった。

大クラッシュは、GT500クラスの100号車 STANLY NSX-GTが36周目終了間際に8位を走行中、ピットロード入口付近にてGT300クラスの車両と接触、姿勢を崩してスピン状態でコース外側のガードレールに右側面からクラッシュし、車両は大破した。セイフティーカーが導入され、その後赤旗が提示されて中断。ドライバーの山本尚貴選手の救出に時間がかかった。
レース中断中の放送で事細かな状況はリポートできなかったが、チームメイトの牧野任祐選手と共にピットロード入口のプラットフォームでその様を見守った。牧野選手は、先日のSuper Formula 第7戦でスタート直後のマルチクラッシュに巻き込まれている。その表情は、先輩でありチームメイトの安否を心配して青ざめていた。救出時、山本選手は意識があり、手足が痺れていると訴えたので、大事をとって頚椎の固定などに時間がかかったとのこと。ドクターヘリで病院に搬送され精密検査の結果、脊椎等の損傷、骨折はなかったので即日退院できたと関係者から聞きました。しかし、別の病院で精密検査を受けるため改めて入院したとのチームリリースが19(火)に出されました。早い回復を祈るのみです。

ここで重視したいのは、これまでもこの小欄で書いた「速度」です。昨年の富士、今年の鈴鹿で起きた大クラッシュは最高速に近い速度走行中に起きている。今回も、最終コーナーを立ち上がった直線で速度がどんどん増す状況で起きた。ハイスピードは、モータースポーツの醍醐味である。
しかし、現在のSUPER GT、Super Formulaの速さは、そろそろクラッシュした場合の安全性を重視して最高速を下げる努力が必要だと考えます。速さだけを追求せずとも、激しい順位争いによって見るものに感動を呼び起こさせるレースは実現できます。今回の両クラスのトップ車両の再車検失格は、車高に関するものだった。
ダウンフォースを最大限に得て速度を上げるためには、走行中の車高を下げて車体下の空気の流速を上げ負圧を増して車体を路面に押し付ける力=ダウンフォースを増してタイヤのグリップを増してスピードを上げる。規定違反は故意に行なったものでは無いと信じます。しかし、速さを追求するためにギリギリの最低地上高まで攻めたセッティングを施した故の結果=失格だった。トップでチェッカーフラッグを受けて表彰台にたった後に失格という事態に対して、モータースポーツファンはどう感じるだろう。

帰途、仙台駅でARTAのTシャツを着たお子さんに声をかけられて一緒に写真を撮ってもらいました。「ARTAの8号車が優勝したよ。良かったね」と言うとその男の子は、キョトン!ご両親に、これこれシカジカと説明。「良かったな、勝ったって!」とお父さんもお母さんも大喜び。
17号車のファンの皆さんの気持ちは推して知るべし。

文:高橋 二朗

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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