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SUPER GT第5戦中継のゲストに登場した川上憲伸さん(右)
SUPER GT第5戦鈴鹿。
解説席にゲストで元プロ野球選手の川上憲伸さんが来てくれました。
中日ドラゴンズ、そしてアメリカのメジャーリーグのアトランタ・ブレーブスで活躍、2008年の五輪代表のピッチャー。初対面では、意外と背が大きくないと思ったけれど、やはり元アスリートのガッチリとした体格はさすがでしたね。そして、もう一人。昨年まで阪神タイガースで活躍、WBC2013年メンバーの外野手、糸井嘉男さんもスタート前のグリッド上に。
ポールポジションのドライバーインタビューの後に川上さんとのやり取り。そこで、「決勝前のこのような場に自分がいても良いのか少し戸惑っています。親交のあるドライバーさんたちに挨拶したのですが、皆すごくリラックスしていますね。自分が先発でマウンドにいた時は、これほどリラックスすることはなかったですね」と。その直後、糸井さんが通りすがったという<設定>で会話に入っていただき、そこからはお二人の和気藹々のやり取り。お二人は、同じチームでプレーしたことはなかったそうですが、球界の先輩後輩。スポーツマンらしい爽快感のあるトークは、素晴らしかった。お二人とももう現役ではないけれど、おっさんは、一発でファンになってしまったのでした。
川上さんが解説席に上がり、ゲストとしてコメントしている内容を聞きつつ、ピットで仕事していました。自動車好きであることは一発でわかりましたし。なにせ、プロの契約金を手にしてすぐにランボルギーニを買いに行ったらしいです。Eスポーツも楽しまれていたことを聞き、嬉しかったですね。川上さんは、レース中の約1時間で退席されたのですが、「もう時間ですか!?」と名残惜しさが感じられたのでした。モータースポーツ以外のアスリートのゲストさんを迎え入れるのもとても面白い企画と感じた次第。
決勝が終わり、帰路の新幹線の席につき名古屋を離れた時に【ピッチャーはドライバーだ!】という言葉がふっと湧いてきた。
野球ではピッチャーが一番重要な立場。しかし、一人では試合はできない。レースにおいてドライバーも一番重要仕事を託されているのだけれど、やはり、一人でスタートラインに着くまでの作業を全てこなすことはできない。支えられるスタッフ、エンジニア、そして監督、スポンサーがあってこそ。ピット作業においては、メカニックさんたちも野球と同じくピッチャーを支える内野手や外野手と同じ。タイヤ交換を1秒早行えたらそれこそファインプレー。野球もモータースポーツも多くのスタッフが勝つという目標に向けて力を尽くして闘うスポーツであると、改めて考えているうちに眠りに落ちたのでした。
文:高橋 二朗
高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。
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