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コース上では“ライバル”も、レースが終われば“仲間”……波乱のSUPER GT開幕戦で見られた、ひとつの復活ドラマ
モータースポーツコラム by 吉田 知弘これでセッションは赤旗中断。幸い、中山に怪我はなく、マシン降車後も歩いていたのだが、マシンは大きなダメージを負ってしまった。
モノコックやエンジンなど、車体の根幹となる部分は無事だったが、ボディカウルは前後ともに大きく壊れたうえ、横転したため、ルーフ部分の交換も必要。予選はおろか決勝にも間に合うかが心配されるほどの損傷具合だった。
公式予選の開始前、修復の様子はJ SPORTSの中継でも報じられ、脇阪監督が状況説明に応じ「クルマの状況はかなり良くて、タイムも一番で余裕もありました。雄飛から雄一に交代したところで、雨の量が増えていて、ピットに戻すべきだったんですけど、僕の判断ミスで、ハイドロが起きて大きなクラッシュになってしまいました。まずは、応援いただいている皆様、関係者の皆様にお詫びしたいです」と、カメラに向かって、頭を下げた。
「予選には間に合いそうにないですけど、決勝を走れるように、最後尾になると思いますけど、精一杯追い上げて、みなさんに喜んでもらえるような走りをできるように、メカニックが今修復中です」(脇阪監督)
ここから、決勝レース出走をかけ、TGR TEAM SARDのマシン修復作業が始まっていく。
午後6時。ピット前では久しぶりの開催となるキッズピットウォークで賑わい、ドライバーやレースクイーンが子どもたちと交流していたが、その裏で39号車のガレージ内では、ボディカウルやウインドウスクリーンも全て外され、マシンはフレームが剥き出しの状態。かなり大掛かりな作業になっていることが伺えた。
午後9時すぎ。大半のチームが、翌日に向けたマシンのメンテナンスを終え、メカニックたちもサーキットを後にしている時間帯なのだが、SARDのピットは、まだ明かりがついており、マシンの修復作業が続いていた。普通ならば、翌日に備えてドライバーや監督はホテルに戻るのだが、脇阪監督はピットに残り、メカニックと共に夜を明かした。
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