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記事冒頭でも触れた通り、国内トップフォーミュラで2年連続ドライバーズチャンピオンに輝くのは2007年・2008年の松田次生以来の14年ぶり。しかも、野尻に関しては2シーズンとも最終戦を待たずに王座を決めるという、圧倒的な強さをみせた。
結果を残せば残すほど、周囲の期待が高まり、自身に重圧としてのしかかっていった。特に最終大会では、いつもと違う表情を見せており、かなりプレッシャーを感じている様子だったが……そこから解放され、彼の表情には再び笑顔が戻っていた。
【“連覇”という任務から解き放たれた王者、最終戦で魅せた真の強さ】
野尻智紀(TEAM MUGEN)
歓喜の瞬間から一夜明けた鈴鹿サーキットでは、今シーズンの最終戦となる第10戦の予選・決勝が行われた。すでにドライバーズタイトルとチームタイトルが決定したものの、来季につなげるために少しでも良い結果を残したいライバルたちが、予選Q1から積極的な走りをみせていった。
だが、それ以上に速さをみせたのが……2連覇王者となった野尻智紀だった。
前日に自身が記録したタイムをさらに上回る1分36秒003をマーク。宮田に0.040差まで迫られたが、見事シーズン6回目となるポールポジションを獲得した。
予選後の公式映像のインタビューでも「勝つことだけを考えてレースに臨みます」と、力強く語っていた野尻。決勝になると、“ぶっちぎりの強さ”を披露する。
前日の第9戦では、一度もイエローフラッグが出ないクリーンなレース展開となったが、第10戦は最終戦で少しでも上を目指したいドライバーも多かったこともあってか、序盤からセーフティカーが出るなど、波乱のレース展開となった。
そんな中で、ポールポジションスターとなった野尻は、要所要所で強さを見せる。1度目のセーフティカーが解除された3周目には、逃げるためのオーバーテイクシステムを使い、前日の決勝ペースより速い1分39秒798をマーク。2番手を走る大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)に対し、この1周だけで1.9秒ものリードを築いた。
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