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モーター スポーツ コラム 2022年6月22日

22歳の二人

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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初優勝を遂げたサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)

【S vs R】
いつもノートにつけているラップチャートの10周目の横に書きました。
S=サッシャ vs R=莉朋
スーパーフォーミュラ初優勝をかけた戦い。

全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦は、菅生に棲む魔物がまたしてもスタート直後からセーフティーカー(SC)を導入させる展開となった。8周目にリスタートしたけれど、またしても魔物の仕業で1台がクラッシュして、またSC…。
トップが10周目に入った時から義務のタイヤ交換が行える。
スタートでトップに立ってSCの背後で周回を重ねていたサッシャ・フェネストラズ選手は、迷わずに10周してピットイン。ピットインを行わなかった車両の後ろ8位でコースに復帰した。ステイアウトしてトップに立ったのは、4番手スタートから一つ順位を落としていた宮田莉朋選手。15周目からレース再開。

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スーパーGTでは同じマシンに乗り込む共に22歳の若きドライバーが視覚的には見えない互いとの戦いを開始した。目の前で行われているバトルとは異なる戦い。飛ばす莉朋と差を開かせまいとするサッシャ。サッシャの前にはまだピットインしていない7台がいて、ペースはあまり良く無い。一方の莉朋は、ガンガン飛ばして1周あたりコンマ数秒サッシャとの差を開いていった。二人の差が40秒以上になると莉朋に勝機が訪れる。20周の時点で二人の差は19.9秒。25周目には23.1秒。41周目に26秒。

30周を過ぎる辺りから莉朋のタイヤも摩耗が進み。特に左フロントタイヤがかなり厳しくなってきた。時折ラップタイムを1分08秒台から09秒台にスピードダウンしてタイヤを休ませる莉朋。サッシャはピットイン以降、チームとの無線交信を断り、ドライビングに集中させてもらっていた。

53周レースも終盤に入っていた。しかし、スタートから14周目までのSCで時間を要してレースの最大時間、70分が迫ってきていた。莉朋は、46周してタイヤ交換のためにピットイン。作業に手間取って約2秒のロス。6位でレース復帰。49周でタイムアップ。サッシャが初優勝を飾った。

レース後、近藤監督(左)と喜びを爆発させたサッシャ・フェネストラズ(右)(KONDO RACING)

全日本F3選手権でチャンピオンを争った二人。国内トップフォーミュラにサッシャは、一昨年からフル参戦。昨シーズンはコロナ禍で2戦しか参戦できなかった。莉朋は、スポット参戦の一昨年、昨年からフル参戦。二人の参戦状況は似ている。共に表彰台に立ったことはあるが、未勝利だった。周囲は、いつ勝つのかどっちが勝つのかという期待を込めて二人を見守っていた。そして、今回異なった作戦でお互いパフォーマンス駆使してサッシャに軍配が上がった。最大レース時間という水が入ってしまったのは少し残念。これで、莉朋の初勝利はいつになるかという面白みがグンと増してきた。

文:高橋 二朗

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高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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