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モーター スポーツ コラム 2022年2月17日

魔法使い

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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レースへ参戦するドライバーのバックグランドはそれぞれ異なる。

朝目覚めて、いきなり頭に浮かんだ言葉が気になり、検索サイトで調べてみました。

<シンデレラボーイ>=無名の存在からいきなり頭角を現し、成功を収める男性。

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モータースポーツ界では、近年若手ドライバーの台頭が顕著ですよね。嬉しいことです。数年前に福山英夫さんが、ある若手(当時)ドライバーのオンボード映像を見て、「これは我々世代では考えられないマシンコントロールを行なって、コーナーへのアプローチをしていますね」という内容の解説をしていたのを思い出します。その若手は、一気に頭角を現した。

国内のトップカテゴリーに駆け上がってきていきなり頭角を現すというシーンに立ち会ってきました。そこには福山さんが言うテクニックでマシンコントロールがコクピット内で行われていたのでしょう。

そういう彼らを<シンデレラボーイ>と呼ぶのだろうか。
近年の彼らは、そうではないと思う。
だって、4輪で頭角を現す以前、とっくにレーシングカートの世界で切磋琢磨して、活躍している。

同年代の彼ら達は、少年時代からライバルとして鎬を削って来ていて、SUPER GTやSUPER FORMULAのシートを獲得した時点でレーシングキャリア10年以上というドライバーは普通。‘若手’という形容は年齢的なものだけで、物おじもしないし、テクニックも‘ベテラン’に全く引けを取らない。だからベテランを従えてゴールする。時折ケアレスミスを犯してしまうのは、場数が少ない、経験不足と判断されるけれど、やはり、シンデレラ・・・という形容は正しくないと思う。

しかし、シンデレラのおとぎ話に欠くことができない存在の魔法使いは居てもらわなくてはならない。トップカテゴリーのシートの数は限られている。その大多数は、自動車メーカーのスカラシップを得ることが第一段階。競争率の高いシートを獲得するためには、自らの力ではどうしようもないことを魔法の力によってなんとかしてもらわなくてはならない。舞踏会に出席するための煌びやかなドレスも、お城に向かうための馬車も魔法の杖一つでパッと用意されれば、苦労はしない。モータースポーツにおける魔法使いだって、杖を振っただけでは、マシン、トップチームに加わること、スタッフに恵まれる体制を得ることはとても大変だ。

同じスタートラインに着いているドライバーのバックグランドは、各々違う。彼らの後ろには多くの魔法使いが存在することも忘れることはできない。

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文:高橋 二朗

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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