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モーター スポーツ コラム 2020年5月7日

新しい・・・

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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執筆している今日は、子供の日。
本来だったら、Super GTの第2戦、富士のイベントが終わり、原稿の締め切りに追われている状況なのですが、それも無く、このエッセイを書いています。昨日、政府が緊急事態宣言を5月末まで延長すると表明しましたね。当初の予定通りに6日で最初の宣言が解除されるとは、誰もが思っていなかった、と思う。ボク自身も、この状況下では解除なんて無理、と思っていました。

宣言の補足として専門家会議から提言されている【新しい生活様式】には、一夜明けた朝から批判が続出していますね。ボクも<何で今頃?これまでと変わらないじゃないの?>派です。一般社会の流れは、この辺にして、モータースポーツ界に目を転じましょう。

この新型コロナウイルス禍によって、各シリーズが開催を延期し続けています。早く再開をと望む声が連日高まっている。モータースポーツのコバンザメを職業としているボクも1日でも早い再開を切望している一人です。コバンザメも生活がかかっていますからね。

モータースポーツ界=日本のモータースポーツにとって、このピンチをチャンスに変える好機と捉えて、これまでの【様式】を劇的に変化させる時と考えます。モータースポーツ は、一般社会においては、必要では無いと言われることもあります。文化、芸術も同じように言われることがありますが、モータースポーツに従事している人間が存在していて、生活の糧としています。Super GTの1イベントでは約1,000人が開催の地へ交通機関を利用して移動し宿泊、食事をする。地元のファンの皆さんを含めると万単位の人が動き、お金を使う。税金を払う。ひいては、税金を得たその自治体の税収入となる。そして何よりもファンの皆さんに驚き、喜び、感動を共有してもらえる。だから、モータースポーツ は、一般社会の人たちが生活する上で必要とされるものを生み出す産業であると考えるのです。

このコロナ禍が過ぎても、以前のようなモータースポーツ産業活動は、無理であると考えます。各シリーズ運営とイベント開催の構造から変えなくては成り立たなくなって来ます。つまり、お金の流れの構図を変えなくては破綻する。モータースポーツの競技形態も変えなくてはならなくなるでしょう。テレワーク、リモートワークが企業の働き方にとても大きな変化をもたらしていますよね。モータースポーツにも少なからず、同じような変化が訪れて、それを受け入れなくてはならない時が必ず来ます。その時にモータースポーツ産業に従事している人たちがちゃんと生活できるような状態にしないとならないと考えます。イベントの主催者であるサーキットとプロモーターの関係。一番は、お金のやり取り、権利&利益配分は、変えなくてはならないでしょう。イベントに参加するチームのスタッフ、メカニック、レースクイーンなどなど、皆がモータースポーツの生命共同体として産業を支え、活性化して、生き抜く新たな様式を創るときが到来したのです。まだ、具体的な実行案がまとまっていないのですが、そうしないとモータースポーツが未曾有の危機に見舞われるのは確実です。

文:高橋 二朗

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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