人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

モーター スポーツ コラム 2019年6月26日

中村さん、お願いします!Please come back!

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
  • Line

ルマンの時差ボケを感じる暇もなく(最初からボケているので関係ないという説も)スポーツランドSUGOへ全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)第3戦と全日本F3選手権の第9戦、第10戦の取材へ行ってきました。梅雨のこの時期ありがちな、時折サーキット全体が濃い霧に包まれることがありましたが、各レースは曇り空から時折日が差すような状況で、コースはドライ。スリックタイヤで走行できたのです。「昔はねピットからグランドスタンドが見えないほど濃い霧が発生したことがあったのだ」と御説教じみて言うおっさんの言葉を若いスタッフは微塵も信じてくれませんでした。私は嘘を申しません。

さて、今回どのようなものかと、考えることがありました。またしてもSFで突然に説明もなく予選Q3が終了してしまったこと。残り時間は1分24秒ほどあったのですが、赤旗中断の直後に終了がズバッと知らされたのですね。慣例では残り時間を延長してもうワンアタックできるように3分間のセッションを再開するのですが、第2戦と同じく突然の終了と相成った。競技に参加しているドライバーやチームもまたかと思った。メデイアもそう。そして、サーキットまで足を運んでいただいたファンの皆さんは、一体どうして突然の予選終了なのか全く分からず状態だったでしょうね。

その時、おっさんは昔をまた思い出した。
スポーツランドSUGOで開催されていたレースの競技長を務めていた中村靖比古さんのことを。氏は、奥州ヴィクトリーサークルクラブの会長でもあり、東北のモータースポーツ発展に尽力。SUGOを始め、かつてあった仙台ハイランド、フジスピードウエイ2007、2008年のF1日本GPでも競技長を務めた。志半ばで癌に倒れ2010年に他界

SUGOに於いて赤旗が提示されて競技が一時中断した時には必ず中村さん自身がマイクをとって状況説明をしてくれた。
「チーム関係者並びにご来場のお客様にお知らせ申し上げます。ただいまSPコーナーで1台がコースアウトしてストップしております。この車両を排除する作業のために赤旗を提示して一旦競技を中断しております。再開については追ってお知らせ申し上げます」
独特の節回しで語る中村節はSUGOの名物だった。中村さんの節回し、声真似得意でした。

もし、中村さんがご存命だったら、競技長をしてくれていただろうし、コース上で何が起こっているかを皆にお知らせしてくれるだろうなと、奥州の空を見上げて思いました。ハイ。
中村さん Please come back!

文:高橋 二郎

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
モーター スポーツを応援しよう!

モーター スポーツの放送・配信ページへ