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サッカー&フットサル コラム 2026年10月30日

メチャクチャ上手い“10番でキャプテン”のプレーメイカー。昌平高校・飯島碧大が最高の仲間と足を踏み入れていく集大成のフェーズ 【NEXT TEENS FILE.】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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昌平高校・飯島碧大

とにかく、上手い。ボールが吸い付くようなトラップ。緩急を織り交ぜたドリブル。そして、相手の急所を射抜くスルーパス。攻撃に関わるあらゆるパラメーターを高次元で兼ね備えた、いわゆるファンタジスタは、さらなる重責を担うことで、プレーヤーとしても着々と次のステップへと続く階段を昇りつつある。

「去年は、(長)璃喜とか(山口)豪太といった中心選手がいて、自分はそのサポートみたいな感じの立ち位置でしたけど、今年は自分たちの代になったので、もう自分が中心になってゲームメイクして、チーム全体を動かしていけたらいいなと思っています」

技巧派が居並ぶ昌平高校の“10番でキャプテン”を託された、才気あふれるプレーメイカー。飯島碧大は短くない時間をともに過ごし、一緒にボールを追い掛けてきた最高の仲間たちと、3年間の、6年間の集大成となるフェーズへ、足を踏み入れていく。

「昌平というレベルの高いプレミアにいるチームで、この役割をするのは結構プレッシャーもあります。でも、それを楽しめるぐらいじゃないと、この先も上のレベルには行けないと思うので、プレッシャーを力に変えていきたいです」

プレミアリーグが開幕したばかりの4月中旬。飯島は2026年への抱負を、そんな言葉で口にする。1年時のプレミア出場はゼロ。ただ、2年に進級すると、初スタメンに抜擢された第3節・浦和レッズユースとの“さいたまダービー”で、いきなりゴールを記録して勝利に貢献。以降は一貫して先発起用が続き、着実に経験値を積み上げていく。

迎えた今シーズン。飯島は山口豪太(湘南ベルマーレ)から10番を、伊藤隆寛(東京学芸大学)からキャプテンを引き継ぐことに。2つの小さくない重責を背負う覚悟を定め、高校ラストイヤーの1年と向き合うことになる。

1つの転機になったのは、前半戦は9位となかなか思うような結果がついてこなかったプレミアでの戦いを経て、2年ぶりの日本一を目指して挑んだ夏のインターハイだった。昌平は3回戦で、結果的にファイナリストとなる近大附属高校に1-2で敗戦。思わぬ早期敗退を強いられる。

インターハイ後の1か月近い時間は、ひたすら自分たちにベクトルを突き刺してきた。「インターハイは自分たちの緩さが出たと思っています。そこから夏の期間は、チーム全体で守備の部分も、攻撃の部分もみんなで声を掛け合って、自分を中心にいい練習ができたんです。それもインハイがあったからこそで、みんなも練習に取り組む姿勢が結構変わってきて、自分もその中で何ができるかということを考えて、この夏を過ごしてきたことは良かったかなって」

リーグが再開された後半戦は、第12節の東京ヴェルディユース戦で2点のビハインドを追い付き、勝点1を獲得すると、第13節の青森山田高校戦には4-2で快勝。さらに続く第14節の川崎フロンターレU-18戦は、後半アディショナルタイムの90+2分に同点弾を献上しながら、90+4分に飯島が劇的な逆転ゴールを叩き込み、今季初となる連勝を達成。3試合で勝点7を逞しく積み上げる。

 

飯島自身のポジションにも、変化が訪れていた。前半戦は左右のサイドハーフに入ることが多く、タッチライン際でボールを収め、アタックの起点創出に奔走していたが、夏の中断以降はドイスボランチの一角が定位置に。ゲームメイク力はそのままに、よりハードワークする姿勢が際立っている。

「芦さん(芦田監督)から求められているのは、ボールを前進させる役割だと思っているので、うまく味方を使いながら、自分もゴールに絡んでいきたいですし、ボランチは結構自分がボールに絡めるので楽しいですよ」

「あとは、『いい守備からいい攻撃』ということはずっと言われてきたので、守備の考え方もかなり変わってきましたし、まずは後ろへのパスではなくて、前を見るというプレースタイルになってきたのは芦さんのおかげなので、そういう部分も結構変わったかなと思います」

チームのど真ん中で、攻撃も、守備も、自分がすべて担うぐらいの気概を携え、ピッチを駆け回る。その圧倒的な存在感は、まさに“10番でキャプテン”という称号に恥じないもの。1人のフットボーラーとしても、確実に進化を遂げつつある。

多くのチームメイト同様に、飯島も昌平の下部組織に当たるFC LAVIDA出身。同じグラウンドで、6年間近くも切磋琢磨してきた仲間との共闘も、もう終わりが見えつつあるからこそ、このみんなで、絶対に掴みたいものがある。

「6年間も一緒にやれるというのは本当にあまりないことだと思いますし、その6年間があるからこそ、言い合えることもある中で、それがいい方向に行く時もあれば、悪い方向に行く時もありますけど(笑)、そこにも僕らには6年間という重ねた時間があるので、何でも言い合えるところが一番の強みになっているのかなという実感はあります」

「もう昌平に通うのも、6年間のうちのあと数か月になってきたからこそ、1試合1試合に絶対悔いが残らないようにしたい想いが一番強くて、もちろん勝ちにもこだわりたいですけど、みんなと一緒にできるサッカーはもうあと少ししかないので、このメンバーでいい結果を残して、いい思い出を作れたらなと思っています」

いよいよ幕を開ける最後の高校選手権も、残留を手繰り寄せるために戦う最終盤のプレミアも、1試合1試合が正真正銘の集大成。昌平が誇る、メチャクチャ上手い中盤の絶対軸。飯島碧大は1つのゴールを、1つの連携を、1つのパスを噛み締めながら、チームを司るタクトを、鮮やかに振るい続ける。

 

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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