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サグラダ・ファミリア主塔完成に沸くバルセロナから旅が始まる スペインからパリを目指す1カ月間|ツール・ド・フランス直前コラム vol.1
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介2023年ブエルタでバルセロナ市街をチームTTで走行
スペイン・カタルーニャ州の州都・バルセロナにとって、2026年の夏は歴史が大きく動き出す季節になる。建築家ガウディの遺作「サグラダ・ファミリア」の主塔・イエスの塔が6月に完成。喜びが満ちる中、7月には世界最大の自転車ロードレース、ツール・ド・フランスの開幕を迎えるのである。バルセロナとツールとの関係は深く、グラン・デパール(開幕)の実現はプロジェクトの動き出しから15年以上温めてきたものだった。
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第6ステージ Cycle*2026 ツール・オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ
配信日時 : 2026年6月12日(金)午後10:20 ~
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Cycle*2026 サイクルロードレース応援部 ツール・ド・フランス
配信日時 : 2026年6月13日(土)午後7:00 ~
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第7ステージ Cycle*2026 ツール・オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ
配信日時 : 2026年6月13日(土)午後9:20 ~
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そんな、バルセロナ市民の夢とともにツールは3週間の旅に出る。目指すのはもちろん、フランスの首都・パリ。今年も、世界が大熱狂する夏がやってくる。本記では、初の開幕地を務めるバルセロナとツールの関係性にも触れながら、ツール・ド・フランス2026の旅の行程に触れていく。
ツールとバルセロナ、約70年の歩み
今回で113回目、歴史としては120年以上を誇るツールにあって、バルセロナを開幕地とするのはこれが初めて。1992年にオリンピックを開催し、“バルサ”の愛称で知られる世界屈指のサッカーチームや、数多くのスポーツイベントを催し、豊かなスポーツ文化を誇る同地に改めて「ツール・ド・フランス」の名が刻まれることになる。
バルセロナとツールの深い関係は、1957年にさかのぼる。この年の第15ステージでプロトンがバルセロナに到達。ツールが初めて同地へとたどり着いた瞬間だった。この地では2ステージ(第15ステージをaとbに分けた変則ステージ)を行っている。
その8年後、ツールは2度目となるバルセロナステージを設定。さらに45年の月日が経ち、2009年には3度目。「雨のバルセロナで、トル・フースホフトが勝ったステージ」といって思い出せるファンは、かなりのツール通だ。
2009年のバルセロナステージ実施は、両者の関係をさらに深めるものにもなった。当時から同地では「ツールのグランデパール誘致」を模索していたといい、同年の第6ステージは「バルセロナでのツール開幕」の実現性を図る意味合いがバルセロナ市と主催者A.S.O.双方にあったという。
ヨーロッパの美しい風景が楽しめる
政治的、経済的それぞれの要因が絡んでプロジェクト進行がゆっくりになった時期もあったが、2015年にアダ・クラウ氏が市長に就任したのを機にツールプロジェクトは急加速。
そして2026年、バルセロナ初到達70年を前にツール開幕の瞬間を迎えることとなった。奇しくも、開幕の約1カ月前にはサグラダ・ファミリア主塔の「イエスの塔」が完成。7月2日に行われるチームプレゼンテーションは、そのサグラダ・ファミリアがメイン会場を務める。
第1週はバルセロナで始まり、ピレネーを越えてフランスへ
エモーショナルなバルセロナの開幕から、3日間はスペイン・カタルーニャ州を走ることになる。
マイヨ・ジョーヌを目指す選手たちにとっては、初日から試練。第1ステージでの実施は1971年以来となるチームタイムトライアル(19.6km)だが、今大会ではチーム内一番手ライダーのフィニッシュタイムが有効となる特別ルールを採用する。そこで発生したタイム差は、その後の個人総合争いにも影響をもたらすことになりそうだ。
第2ステージ(168.5km)では海沿いを走り、第3ステージ(195.9km)からはピレネー山脈で。その途中でスペインに別れを告げ、本来の舞台であるフランスへ。2日はさんで第6ステージ(186.2km)で再びピレネーへ。そこからは、中央山塊に向けて北上していく。
第1週を締める第9ステージ(185.5km)は、主催者にして「トリッキーなコース」とか。丘陵地を突き進むルーティングは、逃げを得意とする選手たちの持ち場と見ることができそうだ。
中央山塊、ヴォージュ山脈に挑む第2週
第2週初日、第10ステージ(166.6km)はフランス革命記念日(7月14日)とあって、中央山塊をめぐるコースにフレンチライダーたちが燃える。フィニッシュ地のル・リオランは、2024年大会でタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG)とヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(チーム ヴィスマ・リースアバイク)を激闘を演じた山。
現代最強選手たちが最高のパフォーマンスで争い合う
第13ステージは今大会で唯一の200km超えステージ(205.8km)。第14ステージ(155.3km)ではヴォージュ山脈に入り、終盤で最大勾配15%のコル・デュ・ハーグ(登坂距離11.2km、平均勾配7.3%)を上る。アルプスへと向かうプロトンは、第2週最終日の第15ステージ(183.9km)で超級山岳プラトー・ド・ソレゾン(11.3km、9%)に挑む。
ラルプ・デュエズ2連戦で新たな伝説が生まれるか
運命の大会第3週。その初日、第16ステージは今大会唯一の個人タイムトライアル(26.1km)。コース前半は10km近い上りが続き、中盤以降は下りと平坦。あらゆる要素が詰まったセッティングで、総合系ライダーの間にどれほどのタイム差が生まれるだろうか。
第18ステージ(185.2km)からは山岳3連戦。この日は1級山岳オルシエール=メルレット(7.1km、6.7%)の頂上フィニッシュ。そして、第19・第20ステージは衝撃のラルプ・デュエズ連続登頂である。
第19ステージは127.9kmと短距離。とはいっても、21ものヘアピンが待ち受ける高難度の登坂が選手たちの真の力を試す。その24時間後、今度は新たなアプローチでラルプ・デュエズへアタック。レース序盤から超級山岳コル・ド・ラ・クロワ・ド・フェール(24km、5.2%)を越え、中盤では1級山岳テレグラフ峠(11.9km、7.1%)、超級山岳ガリビエ峠(17.7km、6.9%)とクリアする。クロワ・ド・フェールの頂上は標高2067m、ガリビエにいたっては2642mまで達する。いったん下ったのち、超級山岳コル・ド・サレンヌ(12.8km、7.3%)を経由してラルプ・デュエズへ。第20ステージ(170.9km)に至っては、獲得標高差は5450mを数える。
今大会の「クイーンステージ」は、第20ステージで決まりだ。ラルプ・デュエズの頂上で2026年のマイヨ・ジョーヌ獲得者が事実上決定する。大会を締めくくる第21ステージ(133km)は、昨年初めて採用されたモンマルトルの丘越えが再登場。3回上ったのちにパリ・シャンゼリゼへやってきて、3週間の戦いを終える。
バルセロナを出発してからの3週間は、激動の日々。たくさんのドラマとともに、われわれの想像をはるかに超える伝説が生まれることだろう。また今年も、感動の夏がやってくる。
文:福光 俊介
福光 俊介
ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う
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