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ジョナタン・ナルバエスがステージハットトリック アタックに次ぐアタックの激戦を制して今大会3勝目|ジロ・デ・イタリア2026 レースレポート:第11ステージ
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介マスとの一騎打ちを制し今大会3勝目のナルバエス
ジロ・デ・イタリアは第2週が進行中。逃げメンバーによるステージ優勝争いになった第11ステージは、ジョナタン・ナルバエス(UAEチームエミレーツ・XRG)とエンリク・マス(モビスター チーム)の一騎打ちに。最後はスプリントで前に出たナルバエスが勝利。今大会3勝目をチームにもたらしている。
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逃げを狙う選手たちによるアタックの応酬
前日の第10ステージでは42kmの個人タイムトライアルを行い、総合成績がシャッフル。テイメン・アレンスマン(ネットカンパニー・イネオス)らが順位を上げる中、マリア・ローザを手放すと予想されたアフォンソ・エウラリオ(バーレーン・ヴィクトリアス)が粘りの走りでジャージをキープ。この先もリーダーとして走り続けることとなった。
そうして迎える第11ステージ。ポルカリからキアーヴァリまでの195kmは、前半と後半でカラーが異なるコースセッティング。前半は海に近い平坦路を駆け抜け、後半になると3級と2級にカテゴライズされる丘越えの連続。そのどれもが急な上りなうえに、その後のダウンヒルがテクニカル。4連続登坂の最後にレッドブルKMが置かれて、下った先にキアーヴァリの市街地フィニッシュといった具合。
逃げ切り勝利が見えるため激しいアタック合戦が続いた
逃げにチャンスありと見られた1日は、やはり多数の選手が入り乱れてのアタック合戦。リアルスタートとともに動いた14選手がそのまま突き進むかにも思われたが、そこへメンバーを送り込みなかったチームが猛追。30kmほどかけてすべて吸収すると、またアタックとキャッチの連続に。その間、第6ステージを勝っているダヴィデ・バッレリーニ(XDS・アスタナ チーム)がコーナーでクラッシュ。この日も早い段階から逃げを狙って動いていたが、思わぬ形で足止め。一度バイクに戻ったものの、レース続行は不可能と判断しリタイアを選択している。
50kmを過ぎたところで3選手が集団から抜け出したのを機に、複数の追走グループが前を目指す。フィニッシュまで残り100kmになるところではマスが集団から飛び出し、やがて追走グループへ。さらに20km進んだところで、追走メンバーの多くが先頭グループに合流。いくつかのシャッフルもあったなか、後半の丘陵区間に入る直前で先頭グループは最大17人まで膨らんだ。
ただ、その形態は長くは続かず、上りが始まると絞り込みが激しくなる。連続登坂の2つ目、2級コッレ・ディ・グアイタローラではマスのペースアップをナルバエスとクリス・ハーパー(ピナレロ・Q36.5プロサイクリング チーム)がチェック。後ろでは6選手に絞り込まれた第2グループがマスたちを追いかける。頂上通過後の下りで再びまとまり、さらに1人が加わって先頭は10人に。この直後には、先頭メンバーのうち3人が下り区間でクラッシュし戦線から脱落。タイミングをほぼ同じくしてアレクサンドル・ウラソフ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)がアタックを試みるなど、状勢はめまぐるしく変化する。
マスとナルバエスがレースを牽引
マスをチェックし続けたナルバエス、最後は持ち前のスピードを生かす
3級コッラ・デイ・シオーリで5人に絞られた先頭グループは、その後の下りで追いついた1人を加えて最終登坂へ。レッドブルKMが控える上りで動いたのはマス。するとまたもナルバエスがすぐに反応。ハーパーが追いつきかけたものの届かず、マスとナルバエスの2人逃げへと移っていく。頂上のレットブルKMはマスが1位通過をし、ナルバエスとともにフィニッシュへ向かうダウンヒルを飛ばしていった。
「マスが一番強いことには気づいていたんだ。彼がアタックをしても、僕は自分のペースで上ることを心掛けていた。とにかく彼から離されないように必死で食らいついたよ」(ナルバエス)
最後まで2人に追いつく選手は現れず、ナルバエスとマスのマッチアップに。キアーヴァリの街に入り、複数のコーナーを抜けていよいよ最終局面。最後の1kmを切ってナルバエスが前に出て、マスの動きをうかがう。スプリント決着は間違いない。
そして最後の200m。マスが先に踏み込み、ナルバエスが合わせる。ナルバエスは脇のバリアーに接触するリスクがありながらも、すり抜けるようにして加速する。こうなるとスピードの差は明白。完全にマスの前に出たナルバエスが、その位置を譲ることなく一番にフィニッシュラインを駆け抜けた。第4・第8ステージに続く、今大会3勝目。
「正直に言うと怖かった。1日中全力で走り続けて、マスも僕も完全に追い込まれていた。スプリントは互いに限界ギリギリで、バリアーにぶつかりそうだったよ。それでも何より、逃げに飛び込もうというチームオーダーにしたがって走ることができて、最後には勝ったんだ。ジロで3勝を挙げられるなんて考えていなかったよ。本当にうれしい」(ナルバエス)
なお、2選手のあと11秒後に次のグループがフィニッシュへとやってきて、3選手のスプリントに先着したディエゴ・ウリッシ(XDS・アスタナ チーム)がステージ3位を押さえている。
メイン集団を牽引するネットカンパニー・イネオス
逃げを見送った総合勢は一団でレースを完了
ステージ優勝争いとは別のレースとなったメイン集団。逃げが決まった直後にリーダーチームのバーレーン・ヴィクトリアスが責任を果たすべく集団をコントロール。上りが始まると、ネットカンパニー・イネオスも牽引に加わって、着実に残り距離を減らしていった。
丘陵区間を進みつつ、逃げからこぼれた選手たちを拾いながらフィニッシュへ。最終的に36人とした集団は、トップから3分24秒差でレースをクローズ。総合系ライダーたちがこの中でまとまって走り終えている。マリア・ローザのエウラリオも、要所ではヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(チーム ヴィスマ・リースアバイク)の後ろにつけながら落ち着いてレースを送った。
「チームメートのおかげで、集団のペースに合わせるだけで良かったよ。毎朝チームバスのフロントに飾られるオオカミ(ポディウムで贈られるぬいぐるみ)が増えていくのが楽しみなんだ。今日もまた1つ増やせるよ。それに明日もマリア・ローザを着られるのが本当に楽しみだ」(エウラリオ)
個人総合成績は、エウラリオのマリア・ローザは変わらず。その他主要メンバーには大きな変化はないが、逃げてステージ4位に入ったハーパーが順位を上げて10位に浮上している。また、体調不良が伝えられているジャイ・ヒンドレーとジュリオ・ペリツァーリのレッドブル・ボーラ・ハンスグローエ勢も、この日の集団の動きにも助けられてタフなステージをしのいでいる。
「走りながらの回復は難しいのは分かっている。少しでも回復させて、良いレースができると良いのだけれど……」(ペリツァーリ)
第12ステージは、星2つの平坦にカテゴライズされてはいるけれど、後半に2カ所の丘越えがあってセオリー通りに進むのかは未知数。総合系ライダーたちにとっては、トラブルに細心の注意を払いつつも、移動ステージになることを切に願っていることだろう。
文:福光 俊介
福光 俊介
ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う
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