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サイクルロードレース コラム 2026年5月16日

「人数をかけて有利にレースを進めたい」元王者ジャイ・ヒンドレーが考えるチーム戦略|ジロ・デ・イタリア2026

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
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ティレーノ〜アドリアティコ

ジャイ・ヒンドレーとジュリオ・ペリツァーリ

2026年のジロ・デ・イタリアには、2人の個人総合優勝経験者が出場している。そのひとりが、2022年大会覇者のジャイ・ヒンドレー(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)。以来、グランツールレーサーとして確たる地位を獲得し、ジロにとどまらずツール・ド・フランスやブエルタ・ア・エスパーニャでの上位進出も増やしている。

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そんな彼は、4年ぶりのマリア・ローザ戴冠を目指し、イタリアでの壮大な戦いに挑んでいる。今大会はヨナス・ヴィンゲゴーハンセンチーム ヴィスマ・リースアバイク)が絶対的な個人総合優勝候補に挙げられるが、ヒンドレーは対抗馬一番手であることを意識し、チャンスは大いにあると見ているという。かつての王者が考える戦い方はいかに。彼自身と、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエの方針とを探ってみる。

22歳ペリツァーリとの双頭体制

レッドブル・ボーラ・ハンスグローエはこの大会に臨むにあたり、ヒンドレーの単独エースとはせず、気鋭の22歳ジュリオ・ペリツァーリとの双頭体制を整えた。

3週間の長期戦に強さを発揮するヒンドレーだが、一方でチームプレーヤーとしての姿勢もチームでは高く評価される。実際、今シーズンはティレーノ〜アドリアティコとボルタ・ア・カタルーニャで、フロリアン・リポヴィッツ(ジロは回避しツールに出場)の山岳アシストに徹し、若きエースを上位へと押し上げている。

ジロ・デ・イタリア

ヴィンゲゴーについていくペリツァーリ

ただ、ジロでは立場が異なることをヒンドレー自身が強調する。「僕とジュリオが共同でチームリーダーを務める。できるだけ長くこの体制を維持し続けていきたい」。ペリツァーリとは昨年のブエルタでコンビを組んでおり、それぞれ個人総合4位と6位。ヒンドレーによれば、「ともにブエルタの結果には満足しているけど、もっとやれたという思いもある。ジロでは進化した僕らをお見せできるんじゃないかな」と自信を見せる。

共同リーダー体制をどこまで維持できるか

やはり大方の予想通り、ヴィンゲゴーが今大会で絶対的な地位にいることは選手たちでも認識できている。ヒンドレーも、「ヴィンゲゴーは本当に強い」と口にする。それでも、「僕もジロでは良い走りをしてきたし、ここまでのトレーニングも悪くない。チャンスはあるはずだよ」と続ける。

ジロ・デ・イタリア

チームプレゼンテーションでのヒンドレー

戦ううえでのポイントとなるのが、ヒンドレーが語るように「共同リーダー体制をどこまで続けられるか」にありそうだ。「重要な局面では人数が多い方が絶対的に有利。特に息の合った2人でライバルにプレッシャーをかけていければ可能性は広がる。僕にとって、その相手がジュリオなんだ」

ジロ前には、スペイン・テネリフェ島でトレーニングキャンプを行い、ペリツァーリの状態の良さをみずからの目で確認。その後、ヒンドレーはリエージュ〜バストーニュ〜リエージュへ、ペリツァーリはジロ前哨戦ツアー・オブ・ジ・アルプスへ。とりわけ、後者はタフな山岳ステージレースで個人総合優勝。本番を前に、一気にその株を上げた。

ジロ・デ・イタリア

双頭体制でジロ・デ・イタリアを戦う

将来を左右する3週間

第7ステージから本格山岳へと足を踏み入れた今大会。タイムを落とすことが許されない大事なステージが続くが、そこはジロでの戦いを知り尽くすヒンドレーである。「どのステージも予測は不可能。何が起きても不思議ではない。でも、1つのステージですべてが決まるとも思えない。第10ステージの個人タイムトライアル、山岳がいくつも待つ大会第3週と、重要な局面は数えきれないほどある」。仮にどこかのステージで遅れをとっても、粘り続ければ挽回できる機会はあると見ているのだろう。

思えば、ジロを制した2022年は山岳最終決戦(第20ステージ)のパッソ・フェダイアで激走。大逆転でのマリア・ローザ獲得は、ジロ史に残る劇的で衝撃的な名勝負となった。その前年には大会最終日(第21ステージ)の個人タイムトライアルで逆転を許し、個人総合2位。勝利も敗北も味わい、その要因を身をもって感じたヒンドレーだからこその感性は、このジロで確実に活かされることだろう。

もうひとつ、ヒンドレーにとってこのジロは将来を決定づける大事な3週間でもある。現チームとの契約は今年までとなっており、ジロの走りが彼自身の評価を確かなものにする。彼くらいの実力と実績があれば、自分で未来を決めることができるのだろうけれど、やはり「グランツールを最前線で戦える」かは彼を図る重要なファクターになる。チーム残留、つまりは現チームとの契約延長が既定路線とも噂されるが、どんな形になろうともジロの結果次第で物事は大きく異なってくる。

文:福光 俊介

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

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