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「恐れるものは何もない」総合表彰台へスタートダッシュに成功したフェリックス・ガルとそれを支えるアシスト陣の働き|ジロ・デ・イタリア2026
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介たびたび好走を見せているフェリックス・ガル
ジロ・デ・イタリア2026第1週のヒーローのひとりに挙げられるのが、山岳ステージでたびたびの好走を見せたフェリックス・ガル(デカトロン・CMA CGM チーム)だ。今大会最初の本格山岳となった第7ステージでは、名峰ブロックハウスでヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(チーム ヴィスマ・リースアバイク)をひとり追い続けると、2日後のコルノ・アッレ・スカーレでは一時先頭に出るアタック。両ステージともヴィンゲゴーの先着を許したが、勝者にして「今大会の最大のライバルはガルだ」と言わしめる走り。28歳となり、キャリアが充実する中で迎える今大会。総合表彰台を現実目標と捉え、アシスト陣を含めたチーム全体での成功を計っている。
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今大会で見られる山岳ステージで集団前方に位置するヴィスマとデカトロン
TTは入れ込まず、総合表彰台が見える位置で
ガルの第1週の好走はサプライズと見る向きもあるけど、過去にグランツールでは何度も個人総合トップ10入りを果たしているし、ツール・ド・フランスでは2023年大会の第17ステージで勝利を挙げているくらいだから、本人としてはそんな見られ方は不本意かもしれない。でも、このジロが始まる前は絶対的な優勝候補であるヴィンゲゴーの対抗馬一番手には挙がっていなかったし、実際にここまでの強さを示すとは多くの人が予想してなかったはずだ。
「僕も厳しい上りであれだけの走りができるとは思っていなかった。自分がレベルアップしていることを実感できて本当にうれしかったよ。これがあと2週間持続できると良いね」(ガル)
第1週を終えた時点で個人総合3位。首位のアフォンソ・エウラリオ(バーレーン・ヴィクトリアス)との総合タイム差は2分59秒としている。ひとつ上の順位にいるヴィンゲゴーとは35秒差。第2週初日・第10ステージで迎える42km個人タイムトライアルで大幅な順位シャッフルが起こるのは必至。総合系ライダーは皆、このTTの結果を受けて先々の戦い方を考えていくことになる。
多くの総合系ライダーがTTステージを鬼門としているが、ガルもそのひとり。年々改善しているとはいうが、なかなか思ったようにはいっていないという。
TTは得意ではないフェリックス・ガル
「一時期はあれこれとこだわりすぎて、結果的に体のどこかしらを傷めてしまっていた。いまはタイムロスは覚悟のうえで、持続可能なポジションを追求するようにしているよ」(ガル)
今シーズン初戦のUAEツアーでは失敗(第2ステージに12.2kmの個人TTが行われた)。その反省から、このジロに向けてはポジションの微調整を図ってきた。
「うまくいくことを願うよ。あとは、山岳でプッシュし続けるだけ。ヨナスに勝てればもちろんうれしいけど、僕の上に彼しかいないという状況も自信にはなる。彼は世界最高の選手のひとりだからね」(ガル)
現実的な目標を総合表彰台に据える。「恐れるものは何もないし、これから何が起こっても受け入れる準備はできている」と覚悟は決まっている。ローマの華やかなステージに立つことを目指して、大いなる挑戦を続ける。
第7ステージでヴィンゲゴーがアタック、反応したのはペリツァーリとガル
アシスト陣のペースメイクが総合系ライダーの消耗を誘った
ガルの活躍を挙げるうえで、アシスト陣の好援護についても触れておく必要があるだろう。第9ステージでは、ブルーとライトグリーンのジャージが長時間集団をコントロール。大会前半戦屈指の高難度ステージを構築したのは、デカトロン・CMA CGM チームだった。
とりわけ、トルド・グドメスタとラスムス・ピーダスンによってつくられたペースが絶妙で、多くの総合系ライダーの消耗を誘ったとの現地評である。このステージで特に苦しんだのは、ジュリオ・ペリツァーリ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)だった。
チームディレクターを務めるルーク・ロバーツ氏も、2選手の働きを絶賛。第9ステージ前のミーティングでは、「僕たちがレースをコントロールしよう」と話したといい、最終登坂のコルノ・アッレ・スカーレでエースのガルを最前線に送り出すことを一番のミッションとしていた。そんななかでのグドメスタとピーダスンによる演出は、「計画通り。理想的な流れを作ってくれた」
ガルの場合、過去のグランツールでは大会終盤に急浮上したケースもあり、「第3週の男」的なものを持っている。前述したツールでのステージ優勝も第3週で成し遂げたものだ。このジロは、第3週に急峻な山々が控えており、ガルにとってもおあつらえ向きのステージばかり。第2週をうまくクリアして大会終盤を迎えれば、とんでもない大仕事をやってのける可能性だってある。そして、それらをアシストたちが下支えできれば、チームとしてもこのジロは大成功となる。
文:福光 俊介
福光 俊介
ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う
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