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最終コーナーで大クラッシュ 間一髪落車を避けたダヴィデ・バッレリーニが初勝利|ジロ・デ・イタリア2026 レースレポート:第6ステージ
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介ダヴィデ・バッレリーニが区間初勝利!
大会開幕前から危険視する向きがあった、ジロ・デ・イタリア第6ステージのフィニッシュレイアウト。石畳の最終コーナーで恐れていたことが起こってしまった。先頭ライダーから次々と落車が発生。ステージ優勝争いは、これを間一髪避けたダヴィデ・バッレリーニ(XDS・アスタナ チーム)とヤスペル・ストゥイヴェン(スーダル・クイックステップ)に絞られて、バッレリーニが先着。この日もエーススプリンターの引き上げ役を担っていた忠実なアシストマンが、思いがけない大勝利を挙げた。
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セオリー通りに逃げを捉えてスプリントへ
第5ステージの大雨から一転し、晴れた中でスタートが切られた。ユネスコ世界遺産に登録される古代ギリシャ遺跡パエストゥムをスタートしたプロトンは、141km走ってイタリア南部の都・ナポリへと到達する。難所という難所はほとんどなく、行程の大部分が平坦路。ナポリ市街地に入ってからの石畳が集中力を要するが、レイアウト的にスプリンター向けであることは確かである。
リアルスタートから10kmは一団のまま進む静かな出足となったが、後にルーカ・ヴェルガリードとエドワルト・プランカールトのアルペシン・プレミアテック勢2人がリードを開始。28km地点では、マヌエーレ・タロッツィとマルティン・マルチェルージのバルディアーニ・CSF・7サベール勢、マッティア・バイス(チーム ポルティ・ビジットマルタ)の3人が追走。ほどなくして先頭2人に追いついて、5選手による先行態勢が整った。
メイン集団では、この日の優勝候補であるジョナタン・ミラン(リドル・トレック)ら数人が絡む落車が発生。大きなトラブルとはならず、ミランもバイクを交換してレース復帰。その後もう一度バイクを換えて、数時間先のスプリント勝負に備えている。
レースの進行とともに、集団ではスーダル・クイックステップ、ユニベット・ローズ・ロケッツ、リドル・トレックなどがアシストを数人ずつ送り出してペーシングを本格化。スタート時から一転して、途中から雨が降り出したがレース展開に影響を与えるほどではない。
ヴェスビオ火山を背にナポリを目指す先頭グループ
先頭ではプランカールトが逃げるのをやめて集団に戻ったが、4人はその後も先を急ぐ。中間スプリントポイントこそタロッツィが一番で通過したが、ボーナスタイムがかかるレッドブルKMに向けて集団の加速度が増し、フィニッシュまで37kmを残して逃げメンバーをキャッチ。そのままスプリント勝負へと流れていくことが決定的になった。
最終コーナーのクラッシュで前線に残ったのは2人
117.2km地点に設置されたレッドブルKMに向かっては、スプリンターを抱えるチームが主導権争い。総合系ライダーの大多数がボーナスタイム争いに加わるのをやめ、この状況を静観。ここはフィリッポ・マーリ(バルディアーニ・CSF・7サベール)が1位通過に成功している。
その後もフィニッシュに向かってスプリンターチームがプロトンを先導。残り10kmを切ってからはユニベット・ローズ・ロケッツやグルパマ・FDJユナイテッドが先頭付近へ。さらにはアルペシン・プレミアテックやスーダル・クイックステップも加わって、ナポリの市街地へと急ぐ。残り3kmを切ったところではリドル・トレックが、残り2kmからはデカトロン・CMA CGM チームも上がってきた。
残り1kmを示すフラムルージュはユニベットが先頭。ディラン・フルーネウェーヘンは絶好のポジションから加速を狙う。そして路面は石畳に。細かいコーナーを慎重に抜けていくが、最終コーナーまで好位置をキープしていたユニベット勢がタイヤを滑らせ落車。これに影響された番手の選手たちも軒並み地面に叩きつけられ、集団は完全に足止め。
それをギリギリでかわしたバッレリーニとストゥイヴェンが抜け出す形になって、ステージ優勝争いは両者のマッチアップに。先手を取っていたバッレリーニがストゥイヴェンの猛追をかわして、一番にフィニッシュラインを駆け抜けた。
「落車せずに済んだことは幸運だった。もう少し速くコーナーに入っていたら僕も地面に叩きつけられていただろうね。過去のジロ出場から、ナポリのフィニッシュレイアウトはイメージできていたんだ。ただ、僕が勝つなんて思っていなかったよ。運が味方してくれたね」(バッレリーニ)
ティレニア海岸線を進むプロトン
日頃の準備が勝利に結びつく
もともとはマッテオ・マルチェッリのリードアウト役としてメンバー入りしていたバッレリーニ。このステージでも、クラッシュ発生まではマルチェッリの引き上げ役を担っていた。
「理想は僕が先頭で最終コーナーを抜けて、その後ろで続いたマッテオ(マルチェッリ)がスプリントをするというものだった。ただ先頭には立てなくて、状況を打開しようと思っていたところだった。僕がスプリントをすべきなのは無線で知ったんだ。そこからフィニッシュラインまでは本当に遠かったよ。でも、いつどんなことが起こっても良いように、トレーニングの段階から準備はしていたんだ。日々の取り組みが結果につながってとてもうれしいよ」(バッレリーニ)
混乱を切り抜けたストゥイヴェンはあと一歩勝利には届かず。それでも、スーダル・クイックステップはエーススプリンターのポール・マニエが何とかクラッシュを避け、トップ2の後を追う集団の頭は確保。ステージ3位でポイントを加算し、マリア・チクラミーノをより確たるものにしている。
「勝てれば最高だったんだけどね。ああなってしまっては仕方がないね。落車せず、3位で終えられたことを喜びたい。マリア・チクラミーノを着続けられるのはうれしいよ」(マニエ)
前日の激走が利いてマリア・ローザでスタートしたアフォンソ・エウラリオ(バーレーン・ヴィクトリアス)も問題なくフィニッシュ。首位をキープして、今大会最初の本格山岳となる第7ステージへと向かう。
特別な時間を楽しむエウラリオとリーダーチーム
「特別な時間を味わっているよ。そうだね、1日・2日・3日……とこのジャージを着続けられたら最高だよね。明日はきっと厳しい戦いになるだろうけど、覚悟はできているよ。ジャージを守ってみせるさ」(エウラリオ)
その第7ステージは、今大会最長の246km。アペニン山脈を突き進む獲得標高4600mのルートは、最後に名峰ブロックハウスが待ち受ける。頂上のフィニッシュへは登坂距離13.6kmで、平均勾配8.4%。マリア・ローザ争いの有資格者を決める、第一関門となる。
文:福光 俊介
福光 俊介
ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う
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