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アルプス3連戦でマイヨジョーヌ交代!灼熱の南仏を走る大会2週目|辻啓のStravaデータから読み解くツール・ド・フランス
ツール・ド・フランス by 辻 啓ちなみにピドコックの超級山岳ラルプデュエズ(登坂距離13.8km・平均勾配8.1%)の登坂タイムは41分52秒。これに対してユンボ・ヴィスマがコントロールし、そこからアタックしたポガチャルとヴィンゲゴーの登坂タイムは39分10秒でした。参考までに、ラルプデュエズの歴代最速タイムは1995年にマルコ・パンターニが出した36分50秒。2004年にランス・アームストロングが37分36秒を記録しています。
ヴィンゲゴーの山岳アシストとして終盤までペースメイクに尽力した体重61kgのセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)のSTRAVAログを見ると、ガリビエ峠を平均出力290W、クロワ・ド・フェール峠を平均出力291Wで登坂。そして最後のラルプデュエズは体重の6.1倍に迫る平均出力371Wで走行しています。ヴィンゲゴーの活躍の陰には、こうした「他のチームに移籍すれば確実にエース級」のアシストたちの貢献があります。
第13ステージ ル・ブール=ドワザン 〜 サンテティエンヌ
第13ステージを制したピーダスン
獲得標高差が2,000m近くある決して平坦とは言えないステージで、集団スプリントと逃げ切りの可能性が絶妙なバランスで入り混じるレイアウト。フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)やシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)と言った強力なルーラー系選手が逃げに入ったこともあり、バイクエクスチェンジ・ジェイコの追走も届かずに逃げの展開に持ち込まれました。
アシスト役を解かれ、チーム総合成績を守る意味でも逃げに入ったガンナの4時間25分の平均出力は332W。ラスト1時間は常に400Wを超える高出力で踏み続けていますが(平均出力373W)、終盤に遅れてステージ優勝に絡めず。精鋭トリオのスプリントでマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)が勝利しています。ステージ2位に入ったフレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス)のSTRAVAログを見ると、ラスト8kmの平均スピードは50.6km/h。牽制状態に入った残り1kmから36km/h前後の走行が続き、最後はスプリントでトップスピード62.8km/hをマークしながらもピーダスンには敵いませんでした。
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