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サイクル ロードレース コラム 2021年6月20日

Tourの景色に誘われて | ブレスト

ツール・ド・フランス by 山口 和幸
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パリ〜ブレスト〜パリの主催はフランスのスポーツ新聞「ル・ベロ」だった。ライバル紙だった「ロト」は発行部数で「ル・ベロ」に水を開けられていて、起死回生の企画が必要だった。もう少し立ち入った話をすると、「ロト」は1902年まで「ロト・ベロ」という新聞名だった。「l’Auto=ロト」はオートモービル、「velo」は自転車で、つまり自動車や自転車のレースを中心に報道するスポーツ紙だった。ところが「ベロ」の名称使用をめぐって「ル・ベロ」に法廷闘争で敗れ、改名を余儀なくされたのだ。

2018ツール・ド・フランス

2018ツール・ド・フランス

当時の「ロト」はパリ〜マドリッド間自動車レースで大失敗していた。エンジンがついた乗り物で長距離レースをしても、もはや人々の関心をあまり引きつけなかった。「パリ〜ブレストよりももっと壮大なスケールの挑戦を企画して成功させたい。そうだ。自転車で広大なフランスを一周してみよう」と考えて実施したのがツール・ド・フランスである。

「ロト」は紆余曲折の後に「l’Equipe=レキップ」と紙名を変更していまも存続する。その発行元は現在、ツール・ド・フランスやパリ〜ダカールなどを主催するメディアグループ「A.S.O.社」となっている。

現在では日本でもブルベが開催されるが、制限時間は本場よりかなり厳しいものだ。とにかくブルベ発祥のフランスには信号機がほとんどなく、しかも車のドライバーはサイクリストを尊重してくれる。日本のブルベ完走者は本場フランスでも十分に通用する。

文:山口和幸

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山口 和幸

ツール・ド・フランス取材歴25年のスポーツジャーナリスト。自転車をはじめ、卓球・陸上・ボート競技などを追い、日刊スポーツ、東京中日スポーツ、Number、Tarzan、YAHOO!ニュースなどで執筆。日本国内で行われる自転車の国際大会では広報を歴任。著書に『シマノ~世界を制した自転車パーツ~堺の町工場が世界標準となるまで』(光文社)。2013年6月18日に講談社現代新書『ツール・ド・フランス』を上梓。青山学院大学文学部フランス文学科卒。

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