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[写真] 勝利に対する貪欲さから「人食い」とも呼ばれた史上最強の王者メルクス
ジャック・アンクティルに続き、ツール・ド・フランス5回制覇を達成したのが、ベルギー人のエディ・メルクスだ(1969, 1970, 1971, 1972, 1974年優勝)。彼の偉大さは、数字が雄弁に物語る。下記の通り、ツール史上、いまだに破られていない記録を複数保持している。
★マイヨ・ジョーヌ累計着用日数111日(2位はベルナール・イノーの79日)
現役選手の中では、総合優勝は未経験ながら、ファビアン・カンチェッラーラの28日がNo.1。
★区間優勝回数34回(2位のイノーは28回)
★1大会での区間優勝回数8回(シャルル・ペリシエ、フレディ・マールテンスに並ぶ)
そして、すさまじい記録はツールのみにとどまらない。
★ジロ・デ・イタリア5勝、ブエルタ・ア・エスパーニャ1勝
★世界選手権王者3回
★モニュメントと呼ばれる由緒正しき5大クラシック全制覇(ミラノ〜サンレモ7勝、ツール・デ・フランドル2勝、パリ〜ルーベ3勝、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ5勝、ジロ・デ・ロンバルディア2勝)
ロードレース競技全般にわたり、驚異的な足跡を残したことがしのばれる。
ベルギー人は、初期の頃から存在感があった。開始直後はフランス人の活躍が目立ったが、1912年から('15年〜'18年までの第一次世界大戦による中断を経て)、1922年まで7連覇したのがベルギー人だった。そのうち、1913、1914、1920年の優勝はベルギー人のフィリップ・ティスがあげ、ツール史上初の3勝は、彼によって遂げられた。
しかし栄枯盛衰。昨今ベルギー人の総合優勝者は出ていない。1976年、ルシアン・ヴァンインプが最後となる。
ベルギー人の優勝者は、今後ふたたび登場するかもしれない。しかし、数々のトップクラスのレースを含め、生涯500勝以上をあげたメルクスを超える者は、恐らく2度と現れまい。
Naco
1999年末、ホームページを立ち上げ、趣味だった自転車ロードレースの情報記事を掲載しはじめる。2000年夏からは、ツール・ド・フランスの現地観戦レポートを開始。同サイトには、ロードレース・ファンたちが数多く訪れている。現在、フリーランスのジャーナリストとして自転車専門誌に記事を寄稿している。
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