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【パリ~ニース 第1ステージ:レビュー】昨ツールのマイヨ・ヴェールがデマールもアッカーマンもピーダスンもまとめてねじ伏せた!サム・ベネット「ひどく神経を使う戦いだった」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか初日スプリントを制したサム・ベネット
ぎりぎりのタイミングで、どこからともなく現れて、ラスト100mで最前列をさらった。圧倒的な速さでサム・ベネットが初日スプリントを制し、黄色い総合リーダージャージと緑のポイント賞ジャージも手にれた。
「マイヨ・ジョーヌを着用できて嬉しい。僕が総合優勝することはないけれど、1日でも、2日でも、総合首位に立てるなんてスペシャルなことさ」(ベネット)
前日は強風が吹き荒れ、明け方にはマイナス5度にまで冷え込んだ。しかし色とりどりのチームバスが、2021年パリ〜ニース開幕地に集結する頃には、春の暖かな空気がスタートエリアを包んでいた。
それでも新城幸也は「寒い!」と声を上げた。「だって代表合宿で沖縄に行ってましたからね」と語る東京五輪日本代表は、例年のようにタイで練習を積むことはできなかったが、おかげでいつもとほぼ同じ状態まで身体は絞り込めているとのこと。わずか2日前に日本から欧州入りしたばかりでも、時差ボケは「いつもどおり」特に問題なし。肝心の脚の調子は「分かりません。まあだめでも、1週間もがきますよ!」と語り、2021シーズン初戦へ飛び出していった。
8日間の戦いを、プロトンは静かにスタートすることに決めた。序盤からたった1人で逃げ出したファビアン・ドゥベの背後で、スプリンターチームは淡々とコントロールに励んだ。タイム差は最大5分程度。おかげでドゥベは、ずっと夢だったツールの赤玉ジャージの「ミニチュア版」を、ステージ終了後に羽織ることができた。また序盤2つの山岳ポイントではジュリアン・ベルナールも積極的にポイント収集に励み、最初のスプリントポイントはマイケル・マシューズが獲りに行った。
「逃げが1人の時は、かなりコントロールは簡単だった。前列に制御役を1人置いて、僕らチーム全体も常に前方に留まるよう心がけた」(アルノー・デマール)
平穏な日曜日に小さな異変が起こったのは、フィニッシュ手前約54km。タイム差がついに1分を切ったタイミングで、フィリップ・ジルベールが同僚ステファノ・オルダーニと共に飛び出したのだ。すかさずアントニー・ペレスとクリストファー・ローレスも同調。しばらく先でドゥベを回収しつつ、5人は毅然と前方へと突き進む。
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