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サイクル ロードレース コラム 2015年7月19日

ツール・ド・フランス2015 第14ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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フランス共和国大統領フランソワ・オランドの目の前で、フランスの若き2選手は痛いミスを犯した。後方に一切警戒を払わず、お見合いを始めてしまったのだ……!その隙に、34歳の老獪なるスティーブ・カミングスが、高速で先頭をかすめ取った。トラックで鍛えたスピードマンは、そのままテクニカルなラスト1kmをスマートにこなした。今は亡き元南アフリカ共和国大統領ネルソン・マンデラの誕生日「ネルソン・マンデラ・デー」に、南アフリカチームの英国人が、MTNクベカに創設以来初めてのツール区間勝利をもたらした。アフリカ生まれの英国人クリス・フルームは、まるで我が事のように喜びつつ、ある件では、怒りを顕にした。

恵みの灰色雲が、ツール一行の上に広がった。マンドの山頂では、時々、遠くで雷がごろごろなる音が聞こえてきたほど。暑いよりは、ずっといい。前ステージの100km地点では路面温度が61度(最高温度は2010年第7ステージの63度)まで上がり、溶けたアスファルトが落車したジャンクリストフ・ペローの傷口に張り付いたとか……。この日はスタート地はいつものように暑かったけれど、ステージ後半は、ほんの少しだけ爽やかな風を感じられた。

レースは相変わらず熱かった。そもそもは20km地点で5人が飛び出し、そこに19選手が合流して、24人の巨大な集団が出来上がった。これが結局のところ、本日のエスケープへとつながった。ただし、すぐにはタイム差を開けなかった。そこから約1時間にも渡って、壮大なる追いかけっこが続いたのだ!

最大の理由は、総合11位のワレン・バルギルが入っていたから。総合上位チームは簡単に妥協するわけにはいかなかった。エスケープ内でも、邪魔者を排除するため、幾度となくアタックの火花を散らせた。バルギルが去り、スタートから65km地点まできて、ようやくメイン集団は手綱を緩めた。前方に生き残った20人選手も、落ち着いて先を進めた。以降、前方と後方とで、2つのレースが繰り広げられることになる。

エスケープには16チームが加わり、しかも第13ステージの区間上位3人(フレフ・ヴァンアーヴェルマート、ペーター・サガン、ヤン・バークランツ)が肩を並べた。前夜の区間2位でマイヨ・ヴェール争いを一気に前進させたサガンは、2013年モンヴァントゥ山頂フィニッシュ、2014年リズール山頂フィニッシュと、常にスプリンターにとっては「ありえない」ステージでポイント収集を成功させてきた。今年はマンドの激坂フィニッシュステージを舞台に選んだ。第一目標はもちろん中間スプリント。ライバル皆無の逃げ集団で、望み通りに1位通過20ptを手に入れた。ポイント賞2位アンドレ・グライペルとの差は44ptと、リードをさらに広げた。

ゴール前50kmで、スカイが静かに率いるメイン集団とのタイム差は6分45秒。逃げ切りが見えてきた。長い谷間を抜け、山地へと再び分け入ると、FDJの3人組が主導権を握った。マチュー・ラダニュとジェレミー・ロワが、ティボー・ピノのために積極的な牽引に乗り出した。昨大会総合3位の25歳は「表彰台候補」としてツールに乗り込んできたのに、第2ステージ分断、第3ステージ「力が出ない」、第4ステージメカトラ、第5ステージ落車、第10ステージ「正直分からない」、第11ステージ「脚がない」etc...と、いつのまにやら35分以上もタイムを失っていた。しかし悪天候の第12ステージでようやくマイヨ・ジョーヌ集団で1日を終え、復活の兆しを見せていた。

2級ソヴテール峠の下りでミカル・ゴラスがアタックを仕掛け、さらにクリスティアン・コレンも飛び出したときも、FDJコンビはピノのために熱心に追走作業を行った。おかげでエスケープの残り18人全員が、最後に立ちはだかるマンドの激坂へ、2人から11秒遅れで飛び込んだ。

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