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【開志国際】富樫コーチが準備したゲームプランをしっかり遂行したことが決め手となり、インターハイ決勝のリベンジを果たしての初優勝 | ウインターカップ2022
ウインターカップコラム by 青木 崇優勝カップを持つ開始国際 介川 アンソニー 翔
残り5秒での逆転劇で敗れたインターハイの悔しさを糧に、開志国際はウインターカップの決勝で福岡第一との再戦を強く望んでいた。その願いが叶ったビッグゲームに向けて、富樫英樹コーチはとっておきのディフェンス戦略を用意する。「(福岡)第一対策です」というマッチアップゾーンだ。
福岡第一の武器はディフェンスからのトランジションゲームだが、ハーフコートゲームになると轟琉維からのピック&ロールを多用する。ガード陣を構成する澤田竜馬と平良宗龍がタイミングを測りながら轟にプレッシャーをかけ、ピック&ロールを展開しにくい状況にさせるように動いていた。富樫コーチは次のように説明する。
「効果的だと思いましたし、嫌がっていました。あれはビックリしました。(轟に)何回か切られたんですけど、(ボールを)散らしてくれたのはラッキーでした。インターハイでやられたのは、留学生のピックに(うちの)留学生が付き合ってしまった。それはしないと。そこはゴールキーパーで守ってもらって、上は上で処理して、あとはローテーションの繰り返しでした」
2−3の3を構成する武藤俊太朗、介川アンソニー翔、バシール・ファイサル・モハメッドがしっかりとコミュニケーションを取りながら、スウィッチとローテーション、城戸賢心、平岡倖汰、小田健太のジャンプショットに対するコンテスト、ディフェンシブ・リバウンドで素晴らしい仕事をしていたことも大きい。
「練習でもピックで点数を稼ぐというのが第一さんには結構あったので、そこをどう対策するかでした。(ガードの2人が)敵のトップに行って、僕と俊太朗が喋って下でローテーションするという対策で、ピッタリハマりました」とは、試合後の介川。武藤も「52番(小田)のシューターと、37番(平岡)のカッティングのところをアンソニーとコミュニケーションを取りながら抑えていくことでした。ガード陣が今日は相手のガードを徹底的に抑えてくれたので、自分とアンソニーとモハメッドでディフェンス・リバウンドまでしっかりやって、ファストブレイクにつなげる形でやっていました」と話したように、開志国際は試合を通じてディフェンスの質が落ちなかった。
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【ハイライト】福岡第一(福岡) vs. 開志国際(新潟)|高校バスケ ウインターカップ2022 男子決勝(12月29日)
それは、福岡第一が最終的に13本の3Pショットを決めたとはいえ、試合を通じてのFG成功率が32.1%と低かったことでも明らか。ファストブレイクから轟がキックアウトしての3Pを決められる形を極力少なくし、ハーフコートになればマッチアップゾーンでスローダウンさせながら、轟が個の力で打開せざるを得ない局面を多くさせたことも、富樫コーチが用意したディフェンスのプランを選手たちがしっかり遂行したことも大きかった。
「ゾーンは(福岡大附属)大濠さんにもやられたりとかいろいろしていたので、轟の力である程度切り開いていってから合わせたりということで、僕の中で“大丈夫”とちょっと安心していたところがありました。そこをうまくいい間合いで守られたというか、うまく打たされたというか、そこでオフェンスが狂ってしまいましたね」とは、福岡第一の井手口孝コーチ。
オフェンスに目を向ければ、福岡第一のプレス・ディフェンスに対し、富樫コーチは「走らない、ドリブルをつかない。あとはポジションと動きを全部決めた」と説明する。長いパスではなく、動きの中で短いをつないでいくことで、ターンオーバーからの速攻で失点するシーンを減らすことに成功。また、サイズで優位に立つ介川と武藤、フィジカルの強さとパスのうまさがあるバシールがポストアップする形から、ハイローでフィニッシュしての得点で福岡第一に大きなダメージを与えた。
ガッツポーズする富樫HC
「武器ですから。それを彼らに言いました。外の2人は3Pを打てるから、(ディフェンスを)縮めるのはお前たちだと。ドリブルで縮めてもいいけど、向こうが絶対に一番嫌なのはハイロー。スリーポストを嫌がったので、最高の形でしたね」
富樫コーチがこう話したように、スリーポストのオフェンスが機能したのは、ボールを供給する側と得点する側の両方を介川も武藤もバシールもこなせたことと、的確なポジション取りでパスを通しやすくしていたからだ。2Qに平良宗龍が4本の3Pショットを決めるなど、17連続得点で一気にリードを広げたことによって、開志国際が試合の主導権を握ったのは間違いない。しかし、介川が30点、武藤が20点、11リバウンド、バシールが16点、22リバウンドを記録するなど、試合を通じてフロントラインの優位を最大限に活用し、選手たちがしっかりとゲームプランを遂行できたことが、ウインターカップの頂点に立った要因と言えよう。
文:青木崇
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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