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【開志国際】富樫コーチが準備したゲームプランをしっかり遂行したことが決め手となり、インターハイ決勝のリベンジを果たしての初優勝 | ウインターカップ2022
ウインターカップコラム by 青木 崇無料動画
【ハイライト】福岡第一(福岡) vs. 開志国際(新潟)|高校バスケ ウインターカップ2022 男子決勝(12月29日)
それは、福岡第一が最終的に13本の3Pショットを決めたとはいえ、試合を通じてのFG成功率が32.1%と低かったことでも明らか。ファストブレイクから轟がキックアウトしての3Pを決められる形を極力少なくし、ハーフコートになればマッチアップゾーンでスローダウンさせながら、轟が個の力で打開せざるを得ない局面を多くさせたことも、富樫コーチが用意したディフェンスのプランを選手たちがしっかり遂行したことも大きかった。
「ゾーンは(福岡大附属)大濠さんにもやられたりとかいろいろしていたので、轟の力である程度切り開いていってから合わせたりということで、僕の中で“大丈夫”とちょっと安心していたところがありました。そこをうまくいい間合いで守られたというか、うまく打たされたというか、そこでオフェンスが狂ってしまいましたね」とは、福岡第一の井手口孝コーチ。
オフェンスに目を向ければ、福岡第一のプレス・ディフェンスに対し、富樫コーチは「走らない、ドリブルをつかない。あとはポジションと動きを全部決めた」と説明する。長いパスではなく、動きの中で短いをつないでいくことで、ターンオーバーからの速攻で失点するシーンを減らすことに成功。また、サイズで優位に立つ介川と武藤、フィジカルの強さとパスのうまさがあるバシールがポストアップする形から、ハイローでフィニッシュしての得点で福岡第一に大きなダメージを与えた。
ガッツポーズする富樫HC
「武器ですから。それを彼らに言いました。外の2人は3Pを打てるから、(ディフェンスを)縮めるのはお前たちだと。ドリブルで縮めてもいいけど、向こうが絶対に一番嫌なのはハイロー。スリーポストを嫌がったので、最高の形でしたね」
富樫コーチがこう話したように、スリーポストのオフェンスが機能したのは、ボールを供給する側と得点する側の両方を介川も武藤もバシールもこなせたことと、的確なポジション取りでパスを通しやすくしていたからだ。2Qに平良宗龍が4本の3Pショットを決めるなど、17連続得点で一気にリードを広げたことによって、開志国際が試合の主導権を握ったのは間違いない。しかし、介川が30点、武藤が20点、11リバウンド、バシールが16点、22リバウンドを記録するなど、試合を通じてフロントラインの優位を最大限に活用し、選手たちがしっかりとゲームプランを遂行できたことが、ウインターカップの頂点に立った要因と言えよう。
文:青木崇
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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