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【2019-20 B.LEAGUE NOTEBOOK 10】馬場に代わるベンチ陣の中核選手として成長著しい須田侑太郎
B.LEAGUEコラム by 青木 崇中国でのFIBAワールドカップが終わった後、アルバルク東京は馬場雄大をアメリカ挑戦に送り出すという事態に直面した。高い身体能力を生かしたダンクなど、ワンプレーでファンを魅了し、チームに勢いをもたらすことのできる馬場の代役を見つけるのは難しい。しかし、アルバルク東京の首脳陣はこうなることを想定していたかのように、素晴らしい補強をしていた。
それは、宇都宮ブレックスでB1制覇を経験しているスイングマン、須田侑太郎の獲得だ。馬場に比べるとサイズが小さく、派手さはないといえ、ハードなディフェンスで計算できる。琉球ゴールデンキングスで過ごした昨季と東京での今季は、3Pシューターとしても相手の脅威となり、ベンチスコアリングでの貢献度も高い。
12月21日の島根スサノオマジック戦は、3本の3Pシュートを含む今季最高の18点をわずか20分間でマーク。11月2日には古巣宇都宮相手に4本の3Pを決めたのを最高に42%の成功率を残しており、Bリーグの規定数に到達していれば、リーダーズの2位に相当する数字だ。ベンチ陣の一角として攻防両面で素晴らしい仕事をしているのはまちがいなく、「自分がもっともっと成長して貢献できれば、もっともっと強いチームになれると感じている」という言葉通りにシーズンが進みつつある。
東京を率いるルカ・パヴィチェヴィッチコーチが求めるものは非常に高いレベルにあるといえ、今季の平均出場時間はキャリア最長となる平均18.5分。故障者が続出して8人で戦うことを強いられていた状況があったとはいえ、指揮官の信頼をしっかり勝ち取っている。
ピック&ロールからのクリエイトでボールを持つ機会も増え、12月14日の横浜ビー・コルセアーズ戦では4アシストを記録。須田が少しずつプレーの幅を広げていることは、ゲームをコントロールする田中大貴や安藤誓哉の負荷を軽減できるという意味で、チームにとってプラス材料になると言っていい。
3連覇を狙うチームにしてみれば、馬場の移籍は戦力面で大きな痛手だったかもしれない。しかし、ディフェンスのいいシューターとして須田が今後も堅実な仕事を継続できれば、ファンは馬場の不在をネガティブに思わなくなるだろう。
文:青木 崇
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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