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優勝を決め、喜びを爆発させる西濃運輸ナイン
第97回都市対抗野球大会決勝は9月6日に東京ドームで開催され、西濃運輸が12年ぶり2回目の優勝を決めた。佐伯尚治監督は2014年の橋戸賞(MVP)投手だが、今回は指揮官として栄光の黒獅子旗を手にしている。準優勝(白獅子旗)はNTT西日本だった。
今大会の橋戸賞は前野幹博(外野手/ヤマハ所属で西濃運輸に補強)が受賞した。久慈賞(敢闘賞)には濵﨑浩大(投手/NTT西日本)が選ばれた。打撃賞は野﨑大地(西濃運輸)、首位打者賞には武田健吾(三菱重工East)が輝いている。
第97回 都市対抗野球大会
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準決勝 エイジェック vs. 西濃運輸/三菱重工East vs. NTT西日本
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まず、10月22日に予定されているNPBドラフト会議に向けて、評価を上げた選手について触れたい。ENEOS所属で今大会は東芝に補強されていた右腕・長屋竣大は1回戦で負け投手になったものの、最速154キロの速球と、空振り奪取率の高い変化球は大きなインパクトを残した。
セガサミー所属でJR東日本に補強された右腕・樫村佳歩も、最速153キロの速球で3回を無失点に抑えた。樫村は166センチの本格派という変わり種。立正大学から入社して1年目のため、本来はドラフトの指名対象ではない。しかし、今季については、セガサミーが2026年シーズン限りでの活動終了・廃部を決めたため、例外規定により指名対象となる。
長屋、樫村はプロでも短いイニングならば「即戦力」として起用できるレベルの実力者で、おそらく指名を受けるだろう。パナソニックからNTT西日本に補強された右腕・柿本晟弥も評価を上げた大会だった。
一方で橋戸賞、久慈賞、打撃賞、首位打者賞をつかんだのは全員が30歳代のベテランだった。
かつては落合博満が大学中退後に東芝府中、野茂英雄が高卒後に新日鉄堺へ進むなど、高卒や大学中退から社会人野球へ進み、その後NPBで大成した選手も少なくなかった。しかし、現在は大学野球を経て社会人入りする選手が主流になっている。
トレーニング、コンディショニングの水準も上がった。そして、武田健吾や優秀選手賞に輝いた吉田大喜(東邦ガス)のように、NPBから社会人野球に戻る例も増えた。そういった理由から選手寿命が伸び、「全盛期」が少し後のタイミングになっている。
前野幹博は31歳で、185センチ・83キロの左打者。PL学園からヤマハに入社し、今大会ではPL学園高校出身で唯一の出場選手となった。今大会は西濃運輸に補強されて6番ライトで起用され、打率.409、3本塁打、10打点とチームを引っ張った。
濵﨑浩大は入社15年目の36歳。175センチ・77キロの右腕で、速球とチェンジアップの組み立ては絶品だった。今大会は1回戦・日本通運戦と、準決勝・三菱重工East戦の先発を任され、15回1/3を投げて自責点はわずか1だった。
武田健吾は高卒後にオリックス、中日とNPBに合計9年在籍した外野手だ。社会人に入って、さらに成長軌道にある彼も今大会は大活躍だった。14打数7安打と打率は5割に届き、さらに4試合で3本塁打、8打点も記録している。
第97回 都市対抗野球大会
「元NPB」といえば、吉田一将の快投も印象的だった。NPBのオリックス、独立リーグ、台湾を経て、今年からマルハン北日本カンパニーに入社した大型右腕の彼は、JR東日本東北に補強され、13年ぶりに都市対抗の舞台に戻ってきた。8月29日の1回戦・信越硬式野球クラブ戦は8回を5安打無失点に抑えて勝利投手となり、最速は148キロを記録している。
都市対抗は、NPBを目指す若手選手の登竜門だ。一方で成熟した選手が「輝き続ける」ことを示す場だ。さらにいえばプロでチャンスを失った選手が「輝きを取り戻す」場でもある。そんな都市対抗が持つ多様性、奥深さを強く感じた第97回大会だった。
文:大島和人/写真:産経新聞社
大島 和人
1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty)
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