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笑顔で練習に向かう松井
順調に登板を重ね、一定の好結果を残している。サンディエゴ・パドレスの松井 裕樹(30)は、2月19日に左内転筋を負傷し、メジャー復帰は5月。1カ月が経過し、6月5日時点で11試合(17イニング)、防御率0.53だ。
三振数はイニング数を上回る19、1イニングあたりに出した走者数を表すWHIPでは0.94の好成績だ。だが、当の松井は納得していない。満足もしていない。
「結局、だって3点入れちゃった、っていう印象しか残らないわけじゃないですか」
どういうことか。今季の松井は5月時点での役割は、劣勢時のリリーフ。1イニングだけではなく、回またぎの複数イニングを任されている。
例えば、先発投手が無死満塁で降板。そして松井の出番がくる。先発投手が残した走者をホームにかえしてしまった。ルール上、それは松井の自責点にはならない。つまり、防御率は悪化しない。だが、チームは3失点。先発投手にも自責点3が記録される。先のコメントは、そのような状況を受けての発言だ。
「(防御率0点台は)たまたまですよ。結局、人(前の投手)のランナーも返しちゃってる。結果的には0、0が続いてますけど、そこはまだまだですね」
キャリアのほとんどをリリーフとして過ごしている。楽天時代は、絶対的な守護神として通算236セーブ。10代から先輩のリリーフ投手陣が、支え合う姿を見て育った。だからこそ「持ちつ持たれつ、ですからね」と表現する。その気持ちは、メジャー移籍後も変わっていない。
キャッチボールで調整する松井
パドレスはメジャー最強のリリーフ陣を誇る。左腕のモレホン、右腕はアダムとエストラーダ、そしてクローザーは防御率1.05、25回2/3で50三振を奪っているミラーだ。
松井の目標は勝利継投に入ること。しかし、現状では難しいことも理解している。だが、勝利継投の機会が巡らない、ということでもない。チーム状況、投手の登板機会で必ずどこかで投げる機会がある。
メジャーでは、レギュラーシーズン中、基本的に3連投はしない。2連投すれば、必ず1日は登板しない日がある。2連投→1日休み→2連投の5日間で4登板も、基本的には避けられる。年間で疲労や球数を管理し、負傷を防ぐためだ。そのタイミングが松井にとってはアピールのチャンスだ。
「後ろ3人使えません、という状況が(実際に)あった。そういう日に勝ち展開がきたら、(自分の登板が)ありますよね。連戦になれば、だれか(勝利継投が)1人、2人いないのが当たり前なので。そうなったときに、選ばれるように」
メジャー3年目。契約は2028年シーズンまである。勝利継投を託されるためにレベルアップし続けなければならない。過去2シーズンで結果を出し続け、生き抜く難しさは身をもって体感している。
今は、いかなる登板機会にも備える。塁上に引き継ぐ走者がいるピンチでも抑えるための技術を磨き、「0」を刻む。
文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。
X(旧:Twitter)
@YamadaMLB
Instagram
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