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ポストシーズン勝ち上がり
今季のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズは、ヤンキースとのディビジョンシリーズで打線が猛威を振るったブルージェイズに対し、第5戦までもつれ込んだタイガースとの死闘で投手陣の疲弊したマリナーズが、敵地での2試合をどう乗り切れるか、というのがシリーズ序盤のテーマになると目されていた.
しかし、終わってみれば、マリナーズがトロントで2連勝、しかも第2戦は10-3と大勝したことで、マリナーズはブルペンの主力を温存することに成功するという望外の結果を手に、シアトルへと戻ることになった。
この予想外の展開により、『Tモバイル・パーク』での第3戦は、万全の体制で臨めるマリナーズに、崖っぷちまであと一歩のところまで追い詰められたブルージェイズが挑むという、シリーズ前の展望からすると、主客転倒とも言える立場での対戦となった。
シリーズの行方を決めかねないこの第3戦を前にブルージェイズのジョン・シュナイダー監督が「初めの2試合の違いは、こっちに長打がなかったのに対し、向こうには長打があったこと」。
「その流れがいつ変わるかは誰にも分からない。運が向いて、長打が出るようになればと思っている」と述べている通り、ブルージェイズが第3戦をものにしてシリーズの流れを変えられるかどうかは、ヤンキース戦で火を噴きまくったブラディミール・ゲレーロJr.ら主軸打者の打棒が勢いを取り戻すかどうかにかかっていると言っても過言ではないだろう。
一方、マリナーズは目下打撃絶好調のホルヘ・ポランコを始め、カル・ローリーやフリオ・ロドリゲスといった主軸が、トロントで本塁打を放っており、ブルージェイズの投手陣にとっては剣呑な状態となっている。
さらに第3戦では、ディビジョンシリーズ第5戦で、MLBナンバーワン投手タリク・スクーバルと互角の投げ合いを演じたジョージ・カービーが、中4日で先発マウンドに上がる。
それに加え、前述の通り、ブルペンにはリリーバーの主力が万全の状態で控えており、悲願である球団史上初のワールドシリーズ進出へ王手をかける上で、理想的な状況となっている。
ブルージェイズはかつてのサイ・ヤング賞投手であるシェーン・ビーバーがこの第3戦で先発登板することになるが、ビーバーはヤンキースと対戦したディビジョンシリーズ第3戦では、2回2/3を投げて3失点と精彩を欠いており、好調マリナーズ打線を封じる上で、大きなステップアップを求められることになる。
なお、『MLB.com』によると、「ポストシーズン史上、4戦先勝のシリーズで2勝0敗とリードしたチームは、93回中78回(83.9%)そのシリーズを制しており、現行の2-3-2形式で、敵地にて最初の2試合を勝利したチームは、27回中24回(88.9%)そのシリーズを制している」とのこと。
ちなみに、MLBの4戦先勝のポストシーズンシリーズにおいて、0勝3敗から逆転でそのシリーズを制したのは、これまであった41回のうち1例しかなく、この第3戦はブルージェイズにとって第7戦とほぼ同様に重要な意味を持つことになる。
J SPORTS 編集部
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