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メッツ戦前、ブルペンで準備する山本
大きくストライクゾーンから外れ、明らかなボール球があった。投げミスに声を荒げるシーンもあった。一見、調子はそこまでよさそうには見えなかった。
ただ、終わってみれば6回5安打1失点、3四球、5三振。19度目の先発で3四球以上は、3度目の『珍事』だった。結果は勝利投手だ。
「こういう調子の時に、こうやって6回1失点でまとめられるようになったということは、成長の一つのポイントだなとすごく感じます」
山本 由伸(27)は11勝目(6敗)を挙げ、日米通算100勝の節目を達成(オリックス70勝、ドジャース30勝)。長打を許さず、最少失点でゲームメークした。
19先発で15度目のクオリティー・スタート(6イニング以上を投げ、自責点3以下)はアルカンタラ(マーリンズ)と並ぶ両リーグ1位タイ。抜群の安定感でチームを支えている。
大谷 翔平投手(32)が左ヒザの不調で投手調整を一時ストップ。ナ・リーグ西地区で2位のダイヤモンドバックスに12ゲーム差をつけ、独走できる要因には山本がエースとして計算できる投球を続けているからだ。
「いい調子でここまで来られていますし、100勝は一つうれしく思います。また頑張りたいと思います」
メジャー1年目の2024年には、右上腕を痛め3カ月近く離脱した。2年目の昨季は、30先発のフル回転。ポストシーズンでの活躍、ワールドシリーズ第7戦での中0日リリーフは記憶に新しい。負傷離脱することなくローテーションの中心にいることは、チーム全体に安心を与えている。
「初勝利した時から10年目で100勝なので、これからさらに加速して勝ち星を積み重ねられるように頑張りたいです」
試合後メディア対応で笑顔を見せる山本
山本は2024年に12年総額3億2500万ドル(約532億5000万円/465億円=契約当時のレート)の超大型契約を結んだ。先発投手の契約としては、史上最長年数&最高保証額だ。1年目こそ、負傷離脱があったが、チームのエースとしての活躍は十分に見合う。12年のうち、今季で3年目。先は長い。ただ、山本は長く第一線の先発投手として投げ続けるつもりだ。
「高卒で入って最初の何年かが(2軍で過ごす時期やリリーフの役割など)ありましたけど、これからはずっとローテーションをたぶん投げられると思います。毎年変わらずいいパフォーマンスをどんどん発揮していけるように、そういう選手になりたいなと思います」
詳細なデータがそろう昨今は、投手の勝ち星を重要視しない考え方が一般的になりつつある。ただ、自分が勝利投手になればチームが勝っている証。昔ながらの評価指標だが、現役で長く先発投手で投げ続けなければ勝ち星の上積みはできない。
「もちろん(ここまでの道のりは)楽ではなかったですけど、打たれた試合もたくさんありましたし、そっちがすごく意外と(記憶に)残っている」
打たれれば、反省し、改善する。その繰り返しで成長を続けた。チームの勝利と自身のレベルアップを目指し、実直に努力を重ねる。
文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。
X(旧:Twitter)
@YamadaMLB
Instagram
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