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野球 コラム 2025年7月4日

吉田正尚、一塁手挑戦は「1つのオプション」

MLBコラム by 山田 結軌
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7月2日に実戦復帰した吉田

雨上がり、青空の広がったフィールドに現れたスラッガーは外野手用グラブに加え、新しいファーストミットを持っていた。レッドソックスの吉田正尚(31)だ。

昨年10月に受けた右肩の手術から復帰を期すリハビリ試合に出場するため、マイナー傘下3Aのウースター・レッドソックスの本拠地だった。マイナー戦とはいえ、公式戦への今季初出場を予定していた7月1日は雷雨で中止に、翌日の2日のダブルヘッダー第1試合に備えた練習に姿をみせたときだった。

「そこまでまだ深い話はしてないけど一つのオプションとしてそういうことは伝えられています」

試合後、米メディアからは「メジャー復帰の際には、一塁を守るかの可能性は首脳陣からいわれているのか?」という質問が飛んだ。

一塁の練習を指示されたのは、吉田によれば「リハビリをしていて、2週間前か1週間前ぐらいかな」。レギュラーDHで主砲のディバースがジャイアンツにトレード移籍し、打線の編成が流動的になるタイミングだった。

一塁ベンチ前では、ハンドリングで捕球する練習ドリルをこなすとその次は、一塁の守備位置でノックを受けた。一塁手は高校3年時に経験している。実は、右肩負傷の遠因は高3年のときだった。スローイングは軽めに投げたが、基本的な動きを反復した。

「(内野手の送球など)一番球を捕らなきゃいけない。ポジショニングもあるし、スローインもそうだし、本当に難しいポジションだと思う。やっぱりしっかり練習を積み重ねてやる、難しいポジションだと思います」

もちろん、これはレッドソックスが一塁手として復帰させる、というわけではなく、打線・守備位置とのバリエーションを考えた場合、チームが持っておくべき選択肢の一つ、と判断したから。慣れた左翼とDHで起用されるのが、構想だ。しかし、若手の台頭などで外野手が足りている、というチーム事情もある。

一塁の守備練習をする吉田

「身体の反応が無事いければ、その痛みさえなければ。(右肩痛が再発しない)感触があれば大丈夫かなって。(右肩の回復は)もう10割近くにきています」

メジャー復帰の時期をあらかじめ、伝えられているわけではない。打席での試合勘、外野守備など吉田本人とレッドソックス首脳陣が問題なし、と判断すればそう遠くないうちにメジャー復帰がかなう。

3Aのチーム本隊は7月4日から遠征に出る。吉田は、ボストンから北へ170キロほどに本拠地を置く2Aのポートランドで調整を続ける可能性がある。

レッドソックスは、オールスターをはさむ今後2~3週間で7月末のトレード期限に向け、再建に舵を切る売り手か、プレーオフを目指す買い手にまわるかどうか、判断を迫られる。吉田の復帰は、チームの重要局面で訪れる。

文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。

X(旧:Twitter)
@YamadaMLB

Instagram
yukiyamada_mlb

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