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野球 コラム 2025年5月20日

菊池雄星、未勝利でも充実感と手応えがある

MLBコラム by 山田 結軌
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ファンの声援に指を刺して応える菊池雄星

今季初勝利&エンゼルス移籍後の初勝利が遠い。菊池雄星(33)は5月18日のドジャース戦で6回途中まで3安打1失点と好投するが、今季10度目の先発でも白星を手にすることはできなかった。

菊池の降板時点では4−1とリードしていたが、リリーフ投手が失点し、勝利投手の権利が消えた。しかし、最終的には6−4で勝利。エンゼルスは2010年以来、15年ぶりとなるフリーウェー・シリーズでの3連勝(スイープ)を飾った。だからこそ、雄星には自身の勝ち星がなくとも充実感があり、今後への手応えも得ることができた。

「いい3試合になったと思います。(相手は)世界一のチームですから、すごくいい野球もしてきますし、そういう中で何とか3試合とも接戦をものにできたのは、今後につながると思います」

注目された大谷翔平(30)との花巻東高OB対決は、3打数2安打1打点。長打は許さなかったことで言い聞かせるように及第点を与えた。

「大谷選手とジャッジ(ヤンキース)の2人は違うカテゴリで考えていますので。シングルだったらOKと。たとえタイムリーだったとしてもOK。そういう割り切りがないと、逆に窮屈になってしまうので。攻め方が。2本打たれましたけど、それでいいんじゃないかなと思いますね」

今のメジャーで最高の評価をされる2人。本塁打を防ぎ、長打を打たれなければヨシとする。勝負で設定する合格ラインがどこにあるか。昨シーズンのワールドシリーズ王者を相手にするからこそ、自分の成長や力量をはかる『もの差し』になる。

「強いチームと対戦するということはそういうことなので、自分の今までやってきていない攻め方も含めて、いろんなことをやっていかないとなかなか簡単に勝てない相手とやるのは非常に楽しくもあり、難しくもあり、そんな感じです」

10度の先発のうち、5度のクオリティー・スタート(QS=6イニング以上を投げ、自責点3以下)を達成しながら、未勝利。エンゼルスはア・リーグ西地区で最下位に低迷するなど、苦しいチーム状況もあり1勝目が遠い。それでも自らの仕事に対して、大会集中力を続ければ、勝利投手は時間の問題だ。

ブルペンでの投球前、精神統一する菊池雄星

「ストレートも非常にいいボールが行っていたので、今日は手応えをつかんだ試合でした。ストレートで三振が取れてくると本来の自分の投球。ストレートでどれだけ押し込めるかというので(日々の調整を)やっていますから、今日はそれができていた。球速も96、97(マイル=154.5~156キロ)出ていましたので、ここからさらに調子を上げていけるかなと、そういう手応えをつかみました」

98球中、直球は37球(38%)で7つの空振りをさせ、ファウルを5球打たせた。ボールの力強さを安定して発揮できれば、変化球を生かすことができる。

「先発の仕事をしっかり果たすことにフォーカスしていますから、ここ最近はしっかりと失点を抑えながら進めていけて、チャンスを残しながら中継ぎにバトンを渡せていますので、引き続きこういうピッチングをしていけば、チームも自分も勝つチャンスは増えると思います」

雄星は、0勝の状況でも前向きに語った。今季初星は、近い未来に手にするはずだ。

文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。

X(旧:Twitter)
@YamadaMLB

Instagram
yukiyamada_mlb

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