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野球 コラム 2025年4月29日

佐々木朗希が抱えるジレンマと理想

MLBコラム by J SPORTS 編集部
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佐々木朗希(3月のアリゾナキャンプにて)

高い理想があるからこそ、ジレンマを抱える。ドジャースの佐々木朗希投手(23)は、これまで6度の先発もまだメジャー初勝利を挙げることができていない。

投手の白星は、打線やチーム全体との兼ね合いなので、未勝利という現実がそのまま佐々木の責任であるかといえば、そうではない。

ただ、登板ごとに順応が進み、投球に安定感が増していることは確かだ。4月19日、敵地テキサス州アーリントンでのレンジャーズ戦では、6回2安打2失点の好投。サヨナラ負けであと一歩のところでメジャー初星は消えたが、ウイニングボールを手にするのは、時間の問題だろう。

チームの勝利を最優先の投球が、結果的にメジャー移籍後、初めて6イニングを投げたことにつながったことを明かした。

「そこ(イニング数)は僕の課題があるんですけど、チームとしてはやっぱり先発としての仕事を果たしてほしいとしか思ってないと思う。理想は僕の投球ができて、イニングを投げられること。今は先発としての仕事をしっかりした上で、少しずつですけど状態を上げていかなきゃいけない」

「理想は僕の投球ができて…」というコメントから、佐々木の悩ましい胸中がうかがえる。つまり、理想の投球ではない、という意味でもあるだろう。理想まで遠いのか、近いのかは分からない。ただ、それでもゲームメークをするレベルまでは、自分を引き上げることができている。

4月26日のパイレーツ戦では5回2/3で5安打3失点。「いい軌道で投げられていますし、コントロールもボールになってもある程度(狙った)思ったところに行っている感じもある。あとは球速、球威が上がっていったらもっと楽になるんじゃないかなと思います」。

この試合での最速は97.7マイル(157.2キロ)。「試合前から全体的に直球の強さはブルペン(投球をしている時点)からあった」と取り組んでいることが、ボールに反映されつつあるようだ。

ドジャースタジアムで先発の準備をする佐々木(3月29日撮影)

ドジャースは1年目の適応を進めながら、故障リスクを最小限にするため、基本的には中4日の登板間隔は避ける方針だ。5度目の登板まで球数は80球前後。26日のパイレーツ戦でメジャー移籍後最多となる93球を投げた。100球以下で5~6回をゲームメークしてほしい。それがチームの願いだろう。

そんな制限付きのマウンドで、課題を一つひとつクリアしていかなければいけない。それは、佐々木に限らず、マイナー組織を含めた米球界で先発投手に課せられる重大テーマの一つだ。

「最初の方は本来(壁に)ぶつかる必要がないところで、ぶつかってしまったところがある。そこに関してはすごく自分としてはもどかしい足踏み。直近3試合ぐらいはある程度、試合は作ることができています。ただ、もちろん(結果と内容に)物足りなさもある。その中で最低限のことはできてるかなと思う」

掲げる理想はまだまだ高い。メジャー挑戦時に表明した「世界一の選手になれるように」との思いがあるからだ。この先、数多く積み重ねるはずの白星。その最初の勝利は、もう間もなくだ。

文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)

J SPORTS編集部

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