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野球 コラム 2025年3月11日

【広島好き】一軍未経験捕手が挑む開幕一軍への戦い 20歳の清水叶人が主戦捕手離脱で得た千載一遇の好機

野球好きコラム by 前原淳
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千載一遇の好機を得た清水叶人

千載一遇の好機を得た清水叶人

開幕まで1カ月を切った3月2日、広島に激震が走った。昨季121試合に出場し、今季も攻守の軸と期待された坂倉将吾が右手中指骨折で離脱することが決まった。昨秋のプレミア12で侍ジャパンの正捕手を務めた扇の要の離脱は大きな痛手だ。昨季56試合出場の石原貴規も有鉤骨の骨片を摘出する手術からリハビリ中という緊急事態に、経験あるベテラン会沢翼を3日に一軍合流させざるを得なかった。

昨季一軍に定着していた2人の捕手を欠く状況は、チームにとって危機的状況と言える。ただ一方で、若手捕手にとっては絶好の好機。昨秋、今春のキャンプをへて、若手捕手争いでトップを走るのは、高卒3年目の清水叶人だ。

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今春は初の一軍キャンプスタートから、オープン戦に入っても一軍に同行し続ける。ここまでオープン戦は離脱した坂倉に並ぶチーム最多タイの3試合で先発マスクを被るなど、球団捕手最多7試合に出場している。シーズン開幕を前に、20歳捕手は自身にとっての勝負どきを迎えている。

22年ドラフト4位で健大高崎高から入団した、強肩が売りの20歳。広島の捕手陣の層の厚さから、1年目は28試合の出場にとどまり、昨季も40試合の出場に終わった。十分な経験を積めたわけではない。同期の内田湘大らが一軍デビューした昨季最終戦も、一軍に呼ばれることはなかった。

捕手として基本となるキャッチングやブロッキングといった技術面ではまだ課題が多い。冒頭に出て来た3捕手に磯村嘉孝を含め、昨季一軍に出場した4人の捕手との差は当然ある。昨季序盤に坂倉が不振に陥っても二軍捕手との入れ替えがなかったことも、その差が一因だったに違いない。

肩は広島捕手争いの中でアピールポイントでもある。1年目に1割台だった盗塁阻止率が3割台となるなど成長の跡が見える。春季キャンプ中の実戦でも飛び出した走者を刺すなど、持ち味を発揮した。

課題とされた打撃面でも成長が見える。二軍では2年続けて打率1割台も、オープン戦ではここまで7試合で打率.286。春季キャンプ中から続ける好結果に、新井監督も「もともと当て勘のある選手。経験することによって、スピードにも徐々に対応できているんじゃないかな」と認める。首脳陣からの期待は、試合前だけでなく、全体練習では常に石原慶幸バッテリーコーチが付きっきりで指導する姿からもうかがえる。

チャンスとピンチは隣り合わせ。好結果や好内容がアピールとなる一方で、初歩的なミスなどは評価を下げる。「とにかく守備ですね。打撃は二の次ぐらいの意識です。打撃では状況に合った打撃をすることを意識して、守備では一球一球集中して、張り詰めてやっていきたい」。千載一遇のチャンスを誰よりも本人が自覚している。

ここまで好印象を与えるだけのものは見せている。結果だけでなく、勝負どころで戦える姿が期待値を上積みしているようにも感じられる。「経験がないところを言い訳にせず、自分の配球の色というのを出していって、その中でピッチャーとのコミュニケーションを取っていければいいなと思います」。一軍出場のない20歳は捕手として重要視される経験を今まさに積みながら、視線の先に開幕一軍を捉えている。

文:前原淳

前原淳

前原淳

カープ取材歴18年。03年に地元福岡の大学を卒業後、上京。編集プロダクションで4年間の下積みをへて、07年に広島の出版社に入社。14年12月にフリー転身。現在は日刊スポーツの契約ライターとして広島担当。日刊スポーツだけでなく、NumberWebにて「一筆入魂」を隔週連載するなど幅広いメディアに原稿を執筆するカープライター。X → @mae_junjun

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