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辰見鴻之介(カープ)
カープは苦しい戦いが続きますが、今季からチームに加わった新たなスピードスターが存在感を発揮しています。昨年の現役ドラフトで東北楽天から移籍した辰見 鴻之介が、5月14日現在でリーグ2位の8盗塁と奮闘中です。
辰見は10日の東京ヤクルト戦、7回1死から代走で出場し、二盗、三盗に成功。新井貴浩監督も「こっちも驚いた走塁だった」と評価するほどの韋駄天ぶりを見せました。新たな『代走の切り札』として、その地位を固めつつある辰見ですが、機動力野球が伝統のチームには、これまでにも多くの走り屋が存在しました。
筆者の記憶では、1975年の初優勝直後あたりの『代走・岡』こと、岡義朗が印象に残っていますが、昭和の時代には、正真正銘『走りのスペシャリスト』と呼べる選手が存在しました。
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通算安打数は単打4本、二塁打1本の5安打のみですが、通算62盗塁を記録した韋駄天は、数字以上に記憶に残る選手でした。
リーグ3連覇時に監督を務めた緒方孝市は、走攻守三拍子揃った選手でしたが、デビュー当初は代走や守備固めでの出場からスタートした選手でした。
当時は高い盗塁阻止率を誇った古田敦也(ヤクルト)からも盗塁を決めるなど、リーグ屈指と言われた盗塁技術で、1991年には102試合出場、打席数240で12盗塁、1992年は86試合出場、打席数127で18盗塁をマーク。外野のレギュラー定着後は、1996年にリーグ11年ぶりとなる50盗塁を記録するなど、3年連続で3度の盗塁王に輝いています。
2000年代に入ると、福地寿樹が代走の切り札として絶対的な存在となりました。高卒1年目からウエスタンリーグで39試合に出場して5盗塁をマークし、2年目の1995年から98年まで4年連続で同リーグの盗塁王を獲得。
1998年には同リーグ史上初となる50盗塁もマークしました。一軍では2000年に51試合出場、打席数21で11盗塁を記録。2001年は52試合出場、打席数9で10盗塁をマークするなど、主に代走で4年連続2ケタ盗塁を記録しました。
2006年にトレードで西武に移籍後は、外野の定位置を掴んで2年連続20盗塁以上を記録し、さらにFA人的補償で移籍したヤクルトでは、2008、09年にいずれも42盗塁で2年連続盗塁王に輝いています。
2008年に現監督の新井貴浩が阪神にFA移籍した際、人的補償として移籍した赤松真人は、前年までウエスタンリーグで2度の盗塁王に輝いた選手でした。
カープ移籍直後は、当時のブラウン監督に抜擢されて外野のレギュラー格として活躍しましたが、2011年頃からはここ一番での代走の切り札として起用されることが多くなりました。
2011年は80試合出場、打席数217で19盗塁、12年も76試合出場、打席数246で18盗塁と、準レギュラー的な立場でしたが、2014年は74試合出場、打席数32で12盗塁、2016年は89試合出場、打席数21で12盗塁と、スペシャリスト的な要素が強くなり、ここ一番での『神走塁』をしばしば見せるようになりました。
昭和50年代のチーム黄金期に監督を務めた古葉竹職が、入団して間もない高橋慶彦に「プロ野球は足だけでメシが食えるぞ」とアドバイスしたのは有名な話です。
当時とは時代も変わりましたが、近年でも周東佑京がワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で足のスペシャリストとして重要な役割を果たすなど、『代走の切り札』は、現代野球でも重要な役割を果たし得る存在です。
慢性的な得点不足に悩む現在のカープに、今こそ必要な重要なピースとして、辰見のような選手の飛躍に期待したいところです。
文:大久保泰伸/写真:産経新聞社
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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