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マエケンのメジャー3球団目はデトロイト・タイガースへ
決断は早かった。ツインズからフリーエージェント(FA)になっていた前田健太投手(35)が今オフの日本選手では、一番乗りで2024年の契約を決めた。デトロイト・タイガースと2年契約。総額は2400万ドル(約36億円)だ。
例年、ウインターミーティング(今季は12月4日から6日=テネシー州ナッシュビル)で各選手の移籍先の多くは決まる。しかし、他球団の動向、戦力編成が整う時間を待つ前に、マエケンは一番早く正式なオファーを出してくれたタイガースに即決した。
2016年にドジャースと結んだ契約では、8年間合計で基本給が2500万ドル(約37億2500万円)。各シーズン、先発回数やイニング数などに応じた出来高が付き、最大で1年あたり1015万ドル(約15億1000万円)だった。ドジャースでは先発回数が出来高で大きな比重を占めていたため“経費削減”でシーズン途中には先発から外され、リリーフ待機になることが2018、19年と続いた。
もともとなぜ、この出来高重視の契約内容になったかといえば、入団前の身体検査で「イレギュラーな点」がみつかったため。2021年に手術を受ける右肘の靱帯がすでに損傷していた。今季は完全復活を期すシーズン。レギュラーシーズンでは、21試合(20先発)で6勝8敗、防御率4・23、104回1/3を投げ、117三振と故障明けとしては上々の成績を残した。
「手術の不安も払拭できた。自分にとっては、いい1年だった」
自身初のFA。来季、36歳を迎え、年齢は契約交渉ではやや不利になるが、実働7シーズンで安定的に先発と中継ぎを務めたタフネスぶりで複数球団からの獲得調査が代理人のもとに届いた。
11月上旬のゼネラルマネジャー会議では、代理人のスコット・ボラス氏(71)が「10球団以上が彼に興味を持っている。(メジャー)契約できることは間違いない。あとは契約額がどの程度になるかだ」と語っていた。1年平均で1200万ドル(約17億900万円)は、4-5番手の先発ローテーション投手としては妥当な金額だ。これまでの8年契約では、低かった年俸(年俸312万5000ドル=約4億6600万円)を経て、正当な評価を勝ち取ったのではないだろうか。
今季は開幕4連敗し、その後、右上腕の張りなどで約2カ月間の負傷者リストに入るも、復帰後は16先発で15試合3失点以下と安定した投球でツインズの地区優勝に貢献した。タイガースは、2011年から4年連続地区優勝も、直近の7シーズンは負け越し。それでも再建モードが進み、若手の成長があればポストシーズン進出にも望みがある。メジャー3球団目の新天地で経験豊富なベテランがどう活躍するか、楽しみだ。
(文・山田結軌=サンケイスポーツMLB担当)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツには2007年4月入社。阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。
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