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試合前練習の岡林(写真:球団提供)
開幕1軍を手にした岡林勇希の表情は輝いていた。プロ2年目の今シーズン、根尾昂と切磋琢磨し、晴れ舞台でのスタートを切った。一学年上の根尾昂がスタメン起用される中、岡林はベンチスタート、歯を食いしばり続けた。「いつかチャンスは来る」そう信じていた。
しかし、4月12日1軍登録抹消。4番ビシエドの故障も関係したかもしれない。翌日アリエル・マルティネスが1軍登録された。1軍出場は4試合、1打席のチャンスは三振に倒れた。
元々、投手出身。肩の強さは入団時から折り紙付きだ。加えてバットコントロールは抜群のセンスを持っている。去年の夏、ナゴヤ球場練習日。フリー打撃を行う選手たちが目を疑った。
ゲージの中で岡林は全てといっていいボールを芯でとらえ打ち返した。居合わせた梅津晃大は通路で福田永将に話しかけた。「福田さん、見ましたか?あいつ、やばいっすね~」。
福田はその時の事をこう話す。「全てですよ。1球もミスすることなく芯でとらえて打ち返しました。あのバットコントロールはちょっと気持ちが悪いくらいですよ」。
常日頃から仁村二軍監督も「根尾、石川昂弥、岡林。一軍で使えば一番早く結果を出すのは岡林だよ。それくらいのバットコントロールはありますね。今はね」と話している。
気になるのは「今は」だ。それを仁村二軍監督は明かした。
「最近になって、やっとこっち(二軍戦)でも相手投手のインコース攻めが始まった。去年まではインサイドに攻める必要はないなって、思われていた」。
「今年は違う。しつこくインサイド来られているからね。1軍で、どんなものかなって、対戦してもらえるうちは結果は出るでしょう。でも、ひとたびマークされたら、1軍投手は簡単には打たせてもらえない」。
バットコントロールが上手い岡林、ゆえにそれが弱点にもなる。仁村二軍監督は「打てない、打てる確率の低いインコースに今、岡林はムキになって向かっていく。結果、グシャって衝突して内野ゴロ。これでもかってくらいムキになる」。
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