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シーズン折返しで、早くも昨年の一軍での出場数を超えた。高卒3年目だった昨季は、最下位が低迷していた9月以降に11試合だったのが、今季は上位をキープしているチーム状況の下、6月だけで12試合。
腰の炎症で戦線離脱している嶋基宏の代わりに得たチャンスとはいえ、堀内謙伍はルーキーの太田光(2人とも今は同じ22歳。学年は堀内が1つ下)と切磋琢磨しながら、チームの「扇の要」として奮闘している。
県立静岡高校出身。2015年にドラフト4位で指名され、2016年に楽天に入団した。
今年でプロ4年目の堀内は、いつ話しても元気いっぱいに謙虚な様子で「若いっすから」「まだまだっす」とよく言うが、歩んできた道のりは、ポテンシャルの塊のようなマイルストーンだ。
高校から捕手に転向したにもかかわらず、1年秋にはレギュラーに。2年生の夏からはチームを率いて甲子園での全国大会に3季連続(夏・春・夏)で出場を果たし、「強肩強打の4番捕手」として名を馳せたことも。
世界大会へは、WBSC U-18、U-23のベースボールワールドカップに出場(ともに準優勝)し、いわば世代ナンバーワン捕手として耳目を集める。
◆正直さと謙虚さ、変わらない初々しさ
昨秋のU-23では、3-3で迎えた8回に3ランホームランを放ち、侍ジャパンを決勝の舞台へと導いた。あまりに印象深かったので、ここぞの集中力について聞いたことがある。すると、こんな答えが返ってきた。
「どうなんすかねえ? 確かにランナーが得点圏にいた時のほうが集中できるみたいですけど…」。
「でも、U-23では打った印象が強いみたいですが、ぼく、打率1割台でしたし。打点はチーム1位だったすけど、チャンスしか打ってない?!」と照れ笑いするのだ。
正直さと謙虚さ。変わらない初々しさがあるからか、地元のチームメイトや友人と会っても、いまだに「全然プロ野球選手っぽさがない」とみんなからいじられるのだそう。
けれども、そうした姿勢こそが堀内のポテンシャルと成長の秘訣なのかもしれない。二軍のキャンプ地でよく焼けて、一回り大きくなったように感じた印象を明かした時のこと。
「ほんとっすか? 実は今まであんまウェイトトレーニングしてなかったんですけど、オフの間にやったら、すぐ(筋肉が)ついたっす」。
「でも、体重自体は3キロぐらい絞れてるんですよ。ちゃんと鍛えておかないと故障するかもしれないと思って、がんばりました。上半身はだいぶ変わったかも」。
取り組んでいることも成果もプロ野球選手らしいのに、その話しぶりは控えめで、たしかにプロ野球選手っぽくなかった。
◆嶋から離れて自立へ
屈託がなく、掴みどころのない話しぶりだが、そこかしこに嶋や平石監督への敬愛もにじむ。嶋とはオフのトレーニングは、2年連続で世話になってきたが、今年は別行動だったという。
「今年は嶋さんがやらないって言うので、ぼくは静岡に帰って社会人のチーム『ヤマハ』の皆さんとトレーニングしました」。
「高校の時からちょくちょくお世話になっていたし、先輩も後輩もいて、有意義に過ごせました」とケロッとしている。それなりの手応えもあったのだろう。どこか自信をのぞかせ、自立したように言う。
「嶋さんと一緒にできなくて残念でしたが、気を遣わずに自分のことができたので、良かったです。平石監督にも、しっかり成長したところを見せたい」。
「入団した時から、(平石監督が二軍監督で)気さくに話してくれて、すごくお世話になっているので」。
目標は打てる捕手。「全然まだまだですけど、いろんな細かな練習では確率が上がってきました。あとは、それが実践でどう出せるか。がんばります!」。
28日のロッテ戦でも、その前のバント失敗を取り戻すように、痛快なスリーベースヒットを放った。ここぞの集中力は実証済み。何かを起こしてくれそうな捕手が育つというのは、チームにいい影響を与えないはずがない。
松山 ようこ
翻訳者/ライター/インタビュアー。主にスポーツやエンタメ分野にて実績多数。野球はプロ野球からMLB、他にもマイナースポーツからオリンピック大会まで、国内外の競技場や大会での現地取材を数多く経験するスポーツ好き。アスリートはじめ、一般人から著名人まで幅広くインタビューし、日本語と英語ともに記事やコラムにする。訳書『ピッチングニンジャの投手論』『ベイダータイム』。 ※『ピッチングニンジャの投手論 PitchingNinja's analysis of Japanese MLB Aces』 ※『VADER TIME ベイダータイム: 皇帝戦士の真実 』
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