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野球 コラム 2019年5月31日

二十代の若手が争うナ・リーグの打撃タイトル

Do ya love Baseball? by ナガオ勝司
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27歳と23歳の対決である。

1991年生まれと1995年生まれ。日本でなら平成3年と平成9年生まれである。

27歳のクリスチャン・イエリッチ外野手(ブルワーズ)と23歳のコディー・ベリンジャー一塁手/外野手(ドジャース)がナショナル・リーグの主要打撃タイトルを争っている。

現地5月27日時点でイエリッチが21本塁打、ベリンジャーが打率.383と49打点で主要三部門のトップを独占中だ。

カリフォルニア州出身のイエリッチは1991年12月5日生まれだ。

2010年のドラフト1巡目(全体23位)指名の高卒新人としてマイアミ・マーリンズに入団し、2013年にメジャー・デビュー(イエリッチもベリンジャーも21歳でデビューしている)。その翌年にゴールドグラブ賞を獲得したのだが、弱小球団でプレーするがゆえに全米レベルでは「知る人ぞ知る」という存在だった。

2017年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では初優勝したアメリカ代表の主軸打者だったが、同大会のアメリカでの注目度が低いこともあって「スター」と呼ばれるような存在ではなかった。

むしろ「(マーリンズ時代の)イチローを敬愛する若きチームメイト」として「日本のメジャー・ファンの認知度のほうが上だった」と言ってもいいぐらいで、その後は度重なる故障のためにフルシーズンを戦えなかったこともあり、「誰もが認める実力者」でありながら「潜在能力を眠らせている」逸材のままだった。

そんな才能が開花…というより、ようやく全米レベルで正当に評価されるようになったのが、ブルワーズに移籍した昨年のことだ。

史上5人目の同一シーズン2度のサイクル安打を達成するなどして、あわや「三冠王」の打率.326(1位)、36本塁打(3位タイ)、110打点(2位タイ)でチームのナ・リーグ中地区優勝に貢献し、同リーグ最優秀選手賞に輝いた。

イエリッチより4歳若いベリンジャーはしかし、早くから全米レベルで注目された。

ベリンジャーは野茂英雄(当時、ドジャース)のメジャー・デビュー年の7月13日、アリゾナ州で生まれた。

2013年のドラフト4巡目(全体124位)指名の高卒新人としてドジャースに入団し、2017年にデビューすると、球団史上最多となる最初の11試合で5本塁打を放ち、人気球団に所属していることもあって、一躍、「時の人」になった。

最初の45試合でマルチ本塁打を打った試合が4試合を数え、それはボブ・ホーナー(ブレーブス 元ヤクルト)が1978年に達成した63試合を上回る新人の最速記録だった。

同年6月には早くも20本塁打を記録し、控え選手ながらオールスターゲーム(マイアミ)に選出。その後も本塁打量産ペースは衰えず、9月に39本塁打を放ってナ・リーグ新人最多記録を更新し、満票(1位票が30票)で同年のナ・リーグ新人王に選出されている。

1991年生まれのイエリッチと、1995年生まれのベリンジャー。

二十代前半から後半にかけての若手選手が、今のメジャーリーグを席巻している。

イエリッチと同じ1991年生まれは、大谷翔平のチームメイトで現役メジャーNO.1選手のマイク・トラウト外野手や先発のタイラー・スキャッグス投手(ともにエンゼルス)、すでに3度の本塁打王と2度の打点王を獲得しているアーロン・アレナド三塁手(ロッキーズ)、ブルージェイズのエース格マーカス・ストローマン投手、ツイッターやインスタで細心の野球技術や練習法を紹介しているトレバー・バウアー投手(インディアンス)、昨オフのトレード市場の目玉選手だったリアルミュート捕手など、各チームの主力になっている選手が多い。

今年から「メジャー挑戦」の菊池雄星(マリナーズ)も「イエリッチ・トラウト世代」の一人だ。

日本プロ野球なら筒香嘉智(DeNA)、大瀬良大地(広島)、今宮健太(ソフトバンク)、梅野隆太郎(阪神)、西浦直亨(ヤクルト)らの世代にあたる。

ベリンジャーと同じ1995年生まれは、カージナルスのエース格ジャック・フラハティー投手やアストロズの守護神ロベルト・オスナ投手、ヨアン・モンカダ内野手(ホワイトソックス)、二世選手のアダルベルト・モンデシー内野手(ロイヤルズ)やキャバン・ビッジオ内野手(ブルージェイズ)など、すでにメジャーリーガーとしての地位を確立した選手から「売り出し中」の選手まで様々だ。

日本プロ野球でも、山岡泰輔投手(オリックス)、松井裕樹(楽天)、森友哉(西武)、上林誠知(ソフトバンク)など、各チームの主力となっている選手が多い。

洋の東西を問わず、エリッチやベリンジャーのように高校を卒業と同時にプロの世界に飛び込むのか、大学や(日本の場合は社会人野球)を経てプロに転向するのかで「表舞台」に登場するタイミングは違ってくるが、二十代前半から後半にかけて「全盛期」に差し掛かっていく。

メジャーリーグも日本のプロ野球も今まさに、若手選手たちが「百花繚乱」とばかりに咲き乱れているのであるー。

ナガオ勝司

ナガオ勝司

1965年京都生まれ。東京、長野、アメリカ合衆国アイオワ州、ロードアイランド州を経て、2005年よりイリノイ州に在住。訳書に米球界ステロイド暴露本「禁断の肉体改造」(ホゼ・カンセコ著 ベースボールマガジン社刊)がある。「BBWAA(全米野球記者協会)」会員

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