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日本、海外勢の今シーズン。そして来季に向けて
五輪後の脱力感に包まれたシーズンが終了した。
海外勢では王者グラネル(ノルウェー)は、安定のジャンプで手堅く上位につけ、要所で健闘をみせたクバツキ(ポーランド)、夏場は休養にあて鋭気充分だったクラフト(オーストリア)が順当に勝利を重ねた。そして世界選手権開催で強化予算が潤沢に使われたスロベニア勢のラニセク、ザイチらは、頑張り過ぎたリーダーのP.プレフツの故障欠場によりチームは一層の奮起を見せた。スロベニア勢の雄大なH型ジャンプは、解析の価値が大いにあるだろう。
中村直幹(フライングラボラトリー)
一方の日本勢だが、小林陵侑は狙い撃ちの感覚さえあったスーツ違反などから立ち直り、地元札幌W杯において3日連続で表彰台へ昇るなどジャンプファンを元気づけてくれた。欧州ドイツの拠点初年度で実績を積み上げた中村直幹(フライングラボラトリー)は地力がついてきた。佐藤幸椰(雪印メグミルク)は、マテリアルの変化から立ち直りを目指し努力を重ねている。
そして今季、女子チームのシーズン後半の活躍が素晴らしかった。
フライングレディ伊藤有希(土屋ホーム)は、悲運のダウンヒルレーサー北嶋真智恵さんを母に、ついにはその意思を受け継いだ飛ばし屋となり、男子でも難しいだらだらランディング、150m超えのビリンゲンW杯を制した。しかも荒れた風をものともせずに膝のケガから復帰した丸山希(北野建設)が2位、3位には左膝をケアしながらも高梨沙羅(クラレ)が入り、日本女子圧巻の表彰台独占。異郷の地、北ドイツに君が代を轟かせた。
その勢いを借りて伊藤有希はフライングのビケルスンW杯でなんと200.5mのパーソナルベストを記録して3位表彰台。来季に向けて大きな希望が持てるシーズンだったに違いないだろう。
ではこれからの伸びに期待がもてる、W杯選手以外の若手選手も眺めてみよう。
・池田龍生(慶大→雪印メグミルク):フィンランドのブオカッティ留学で学んだことを活かす時がきた。ここに岡部孝信総監督の技術が組み込まれるとさらに上昇が可能。
・坂野旭飛(下川商):勝ってなお気を引き締めたい。坂野幸夫雪印メグミルク監督である親父さんの夢を叶えよう。
・竹花大松(土屋ホーム):あの神がかりなブラックヘルメットに魂を込めて進もう。
・小林龍尚:公式トレーニングをキャンセルするのは?あれは葛西さんだけに許された奥義。さあ、原点に戻ろう。
・札幌ジャンプ少年団の好敵手、佐々木選手と岡部選手、良きライバルとして日々切磋琢磨、その将来に期待だ。
このうち幾人かは、2030冬季五輪の団体戦メンバーに入る気がしている。
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