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スキー コラム 2023年4月18日

スキージャンプ日本チームのこれから

鳥人たちの賛歌 W杯スキージャンプ by 岩瀬 孝文
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スロベニア アルペンチームの名選手であったグレガ・ベネディクさんのご婦人であるミリアナさんが女将として辣腕を振るう日本チームの定宿に差し入れられたそのおにぎりは、往時の岡部孝信、齋藤浩哉、葛西紀明、原田雅彦、宮平秀治などがにこやかに食していた。当時、まさしく天下無双のチャンピオンチームJPN。そんな日本チームの活力の源が、この1個の心温まるぎゅっと握られたおにぎりだったのである。
最後はベルクチの日本語版を堪能な英語を駆使して、ファンの皆さんに本当にわかりやすく綴り上げていた彼女だ。その彼女は去年10月、ジャンプファンの旦那さんとダンスが上手な娘さんに見守られ、自分でも天国へと飛んでいってしまった。R.I.P
また日本でラージヒル団体戦の精鋭日本チームが金メダルを勝ち取る姿を観たかっただろうな。

現在の日本チームは、そういう数多のファンに支えられている。だから謙虚なまでに飛んでほしい。さらに、おごることなかれ。
日本チームは強く、欧州へつねに殴り込んでいる、その誇りをかけて。

引退宣言を一蹴した葛西紀明

札幌W杯の葛西紀明(土屋ホーム)

「飛びたかったんですけど、スキーを持ってくるのを忘れてしまったんですよ~」
と残念そうな表情で応えた葛西紀明。最終戦シリーズでFISサイドからプラニツァW杯へ招待されていた。それも現地で飛んでくださいとのリクエストも。

さかのぼること1月から2月にかけての大倉山での国内試合であった。
「飛ぶのが、怖くて、いま。こんなのは初めてで、なんだか戸惑いがあるんですよ」
そう気心を知れた記者たちに、ぽつりと語っていた。
こちらは、どのように返答してよいのか躊躇した。
「フライングは無理ですよ。もっと技術を上げて、万全のカサイであっちに行かなければ!」
要するに200mは超えたい、しかし今季の技術では150~160mくらいでぼったりと落ちてしまう。それは恥ずかしいことではないのだが、ここでノリさんの勝負魂に火がついた。
「招待されるんではなくて、選手として出たいんですよ。だから来季も頑張ります!」
わははと一言残して、控室へと帰っていった。ほのかに流れていた引退宣言を軽やかに一蹴して、私たちはほっと胸をなでおろした。
これを照れ隠しで、スキーを持ってくるのを忘れたんですよと、大観衆のプラニツァにて。
葛西選手ならではのグッドジョークだった。

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