人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

スキー コラム 2013年12月12日

「W杯開幕戦優勝者は、五輪で勝てない・・・!?」の謎

ブラボー!!モーグル by STEEP
  • Line

今シーズンの開幕戦も、フィンランド・ルッカで開催。北極圏(北緯66度66分以北)にほど近い、極北の大地で戦いが始まる

14日、いよいよ運命の五輪シーズンが始まる!
開幕戦はシーズンの行方を占う意味でも重要な位置づけのある一戦だ。各国選手のレベルアップなどの動向、新しい選手の出現、各国の戦い方など見どころも多い。
しかも、今季は初戦から五輪出場権をかけたシビアな戦いになるだけに、選手の気合いの入り方も大きい。表彰台に立った選手は、確定に極めて近いと言って間違いない。

しかしながら、過去の五輪シーズンを振り返ると、意外な事実に気がつく。
W杯開幕戦の優勝者と五輪金メダリストがほとんど一致しないのだ。

前回、バンクーバー五輪が開かれた'10季、開幕戦で優勝したのは、男子がジャスパー・ビヨルンド(スウェーデン)、女子がクリスティ・リチャード(カナダ)。男女とも伏兵の勝利で、波乱のシーズンを予感させた。
しかしその後、ジャスパーは第2戦も勝ち2連勝スタートだったものの、五輪では8位と失速。クリスティも、第2戦2位と絶好調スタートだったが、五輪では大失敗。20位と惨敗した。
一方、五輪金メダルの男子アレックス・ビロドウ(カナダ)と女子ハナ・カーニー(アメリカ)の開幕戦はともに3位。無難とも言えるスタートだった。

過去の五輪シーズンW杯第1戦優勝者と五輪金メダリスト 男子

過去の五輪シーズンW杯第1戦優勝者と五輪金メダリスト 女子

過去の五輪シーズンW杯第1戦優勝者と五輪金メダリストを表にまとめてみたが、なんと男子はすべてが一致しなかった。女子は、6回の五輪中、一致は2度のみ。しかも'92季ドナと'02季カーリーは、圧倒的な女王だったので、むしろ例外的と言っていい。

男子は、五輪2連覇を狙うアレックス(上左)、現在絶対王者的なミカエル(上中)、昨季W杯猪苗代大会デュアル優勝のブラッドリー・ウィルソン(アメリカ・上右)、女子は、昨季世界選手権デュアル優勝のクロエ・デュフォー・ラポインテ(カナダ下左)、昨季もW杯2位2回の実力者ニコラ・スドーヴァ(チェコ・下中)、昨季W杯猪苗代大会シングル優勝のオードリー・ロビショウ(カナダ・下右)。彼ら実力者がどんなポジションでスタートするか、注目したい

開幕戦優勝者もそうそうたる顔ぶれだが、それが五輪の頂点には直結しない難しさがある。体力的、精神的に100%を保ち続けるのが、いかに難しいか! がその一因と言える。
アメリカ男子の五輪代表争いは毎回壮絶なのだが、'98季のジョニー以来、金メダルには届いていない。これは、
「五輪前までのW杯で力を出しつくしてしまい、いざ五輪出場時には疲れ果ててしまっているから」
とも言われる。'06季、前年王者で五輪大本命だったジェレミー・ブルームが金メダルを獲れなかった理由のひとつも、それかもしれない。

「W杯開幕戦優勝者が五輪金メダリストと一致しない」という事実は、そこまでの道のりがいかに厳しいかということを物語る1つの材料だ。それだけに五輪前のW杯は、例年以上に激戦で見応えがあるのだ。

そういった意味で開幕戦を見ると、単に優勝者は誰か? ということだけでなく、いろんな興味がかきたてられる。
五輪2連覇を目指すアレックスとハナは、どんなスタートを見せるのか?
最大男女4人ずつの枠をそれ以上の人数で争う、アメリカ、カナダ、そして日本は、どの選手の調子がよいか?
昨年までの強豪は、今季も調子は万全か? 新鋭の登場はあるか?
五輪に向け、昨年と違うターンやエアを見せる選手は誰か?
ミカエルやハナは、ドナやカーリーのような圧倒的な強さで五輪金メダルに届くか?

などなど、見どころが多いのが14日の開幕戦だ。

ハナは'06季、開幕戦優勝するも五輪では予選で転倒。'10季は、3位スタートでW杯総合優勝はジェニファーに譲るが、最大の標的の五輪金はゲット。今回はどんな展開を見せるか?

'02季のカーリーは、五輪前まで6戦5勝と突っ走った。これは例外的だが、ミカエルやハナなら同様の展開もあるかもしれない

STEEP

スキー・スノーボードの本質を追いかけるWEBメディア。90年代からフリースタイルスキーを追う編集部による、モーグルW杯の見どころを紹介。サイトでは様々な情報を更新中。https://steep.jp/

  • Line

関連タグ

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
スキーを応援しよう!

スキーの放送・配信ページへ