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「緊張との向き合い方」| 町田樹のスポーツアカデミア 【特別編】 ~アーティストとアスリートの身体・精神論~ 音楽家 反田恭平
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部音楽家 反田恭平
今回お迎えしたのは、第18回ショパン国際ピアノコンクールで51年振りに第2位となった音楽家の反田恭平さんです。みずからオーケストラの株式会社Japan National Orchestraを創設し、ピアニストとしてのキャリアから、指揮者や経営者など活動の幅を広げ、今最も注目されている音楽家です。
前回のお話し
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「身体と心情」| 町田樹のスポーツアカデミア 【特別編】 ~アーティストとアスリートの身体・精神論~ 音楽家 反田恭平
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
町田(以下M):(音楽家として)生涯現役だと思いますが、いつになっても緊張はするものだと思います。緊張をどう乗り越えるかはアスリートにとっても永遠の課題で、緊張で全てが台無しになることがある中で、反田さんは緊張をどのように克服しているのでしょうか。
反田(以下S):自分に期待しないようにしています。人間だからその日のパフォーマンスの浮き沈みは当たり前です。ただお客さん側からすればチケットを買ったんだから上手く弾いてくれよというのが当たり前。もちろんベストを尽くしたいとは毎回思っています。僕は朝起きた瞬間に今日は上手くいくかいかないかが分かります。気分が乗らないときはただひたすら音楽を流して起こしていくことをします。コンクールは別格でしたけど、緊張はそうそうしないです。普段のコンサートでは15%〜20%の緊張感で弾いていたりします。そのためにはなるべく自分が不安にならないくらい練習して、あとは聞く。最近は車の免許を取ったので、(運転しながら)爆音でクラシックを聞いています。自分の演奏をする曲をただ聞いて、僕は比較的記憶力が良い方なので、3〜4回聞いているとだいたい覚えてくる。だから、車に乗るようになってから暗譜の能力が上がりました。聞くことによって、常に自分が音楽の中にいるという状況を作っています。イメージトレーニングに近いかもしれません。
M:自分のいい時の状態を摂取しながらイメージを膨らませて、なるべくそこに合わせていくみたいなことですかね。
S:僕は年下に師を持つことはとても大事なことだと思っていますが、例えばサッカーの久保建英くんが好きで、彼が言っていた言葉の中ですごい好きな言葉がありました。自分がピッチに立つまでにどういう心境でいるかと聞かれて「自分がゴールを取って歓声を受けているイメージをしてから上がります」と言っていて、それはありだなと思いました。僕もどうしても不安なときは、これは30分後には弾き終わっているので、弾き終わって拍手を浴びているイメージをしながら根拠のない自信のまま席に行くことをしています。根拠のない自信って意外と大事だと思っています。
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